目次
1.「市民活動」とは?
2.「NPO」とは?
3.「非営利」の意味は?
4.「NPO」と「NPO法人」の違い
5.市民活動のはじめかた
1.「市民活動」とは?
市民活動とは、市民が、自分だけのためではなく、みんなのために自分から進んで※1行う色々な活動※2です。
※1 自主性(公的支援を受けない)
※2 生活スタイルの数だけ活動分野や種類がある
分かりやすく伝えるとしたら、一人でするなら市民活動、仲間を集めてするなら市民活動団体と言う感じでしょう。
2.「NPO」とは?
少し前の時代と比べると、NPOという言葉も一般化し、なんとなく「あぁ、NPOね」と理解をいただけるようになったと感じています。
しかしながら、馴染みの言葉にはなりましたが、NPOとは何?という問いかけには、まだまだ明確に答えられる人は少ない状況です。
NPOとは、市民活動団体のことを指し、まちや地域の課題解決に向けて市民が自発的に取り組むことを言います。
例えば、
「昔行事や昔遊びが衰退してきたけど、後世に伝えていきたい」
「不登校の子供たちに勉強を教えてあげたい」
「一人暮らしの高齢者が心配だから、食事をつくって届けながら、見守りをしていきたい」
「昔からの街並みを保存していきたい」など…
そこに住んでいるからこそ感じる身近な課題に視点を当て、自分たちの手で、自分たちの住む地域社会を良くしていく活動を市民活動と言います。
そんなことは、昔から地域ごとでやっていたよ!という声が聞こえてきますが、そうなんです。
私たちの日常生活では、みんなで支えあいながら、ごく当たり前に市民活動を行っているので、特に珍しいものではないんです。これを広義のNPO(市民活動)と言います。
ちょっと専門的になりますが、広義のNPOを細分化すると、隣近所(自治会単位など)で支えあいながら行う活動は、地縁活動に分類され、あるテーマに沿って専門的に行う活動を市民活動(NPO)と分類します。
ちなみに、NPOは、一人では成立しません。
NPOは、Non Profit Organization の略であり、 Organizationは、組織を意味します。
なので、課題解決のための市民組織=市民活動団体もしくは、市民公益活動団体と言い表すことができます。
一方で、ボランティアは、福祉、子育て、教育、文化、まちづくりなどの分野で、自発性、無償性、奉仕性を原則に、みずから進んでする個人の行動を指します。
NPOは、あるテーマによって組織された活動であり、個人の行動のボランティアとは違います。
3.「非営利」の意味は?
非営利とは、利益をあげてはいけないというイメージが強いですが、そうではなくて、利益があがっても構成員(社員、役員など)に分配しないで、団体の目的を達成するための費用に充てることを意味します。
団体がサービスを提供した場合に、対価を得て、売上をあげても、そこから経費を差し引いて、残った利益を団体の構成員に分配しなければ非営利組織と言えます。
人件費は、目的を達成するために必要な事業経費として考えるので、給料を払ってはいけないということはありません。
4.「NPO」と「NPO法人」の違い
NPOの多くは法人格を持たない任意団体として活動していますが、団体として「銀行口座が開設できない」「不動産登記ができない」など不都合があり、平成10年に特定非営利活動推進法(NPO法)が制定され、一定の要件を満たし、所轄庁の認証を得た団体が特定非営利活動法人(NPO法人)となることができるようになりました。
NPO=NPO法人と勘違いされることが多いですが、
NPOとは、広く非営利活動を行う団体(広義のNPO)を指す言葉で、
NPO法人とは、NPO法に基づいて設立された法人のことです。
つまり、法人格を有していない団体は、NPO(任意団体)となります。
ひとくちにNPOといっても、全てが同じ活動をしているわけではありません。
団体ごとに活動するテーマや目的が異なるので、NPO法では活動分野を20種類に分類しています。
5.市民活動のはじめかた
市民活動をはじめたいときは、下記を明確にしておくと良いでしょう。
①Missionは何か?
市民活動をする背景や課題を元に、目的を明確にする。
②市民活動の内容(受益者)
誰に対して、どんな活動を、どこで、どれくらいの頻度で開催するかを明確にする。