(idea 2024年6月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

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「効率化」の先にあるもの

~目指すものは「Ⅾ」ではなく「X」【後編】~

令和5年度に市が一関工業高等専門学校の学生企業に委託して実施した「出前型スマホ教室」の様子。

令和5年度に市が一関工業高等専門学校の学生企業に委託して実施した「出前型スマホ教室」の様子。

一関市 市長公室 政策企画課 DX(ディーエックス)推進係

 令和5年度より、総務部総務課から市長公室政策企画課に配置転換となり、令和5年3月策定の「一関市DX推進計画」に基づくDX推進業務を担う。

 

※DXの推進においては、最高情報統括責任者(副市長)を本部長とした「一関市DX推進本部会議」が設置されており、同会議と各課との間に入るのがDX推進係。

対談者 一関市 市長公室 政策企画課 DX推進係

 

聞き手 いちのせき市民活動センター  センター長 小野寺浩樹

一関市では「一関市DX推進計画」の中で、「新しい技術や、新しいやり方(方法)を理解してもらい、人々の生活を少しでも便利で快適なものに変えていく取組」と定義しているDX。行政をはじめ、事業者が取り組むべきことだけでなく、我々市民も意識していくべきことがあります。生活を便利で快適なものに変えていくために、今必要な考え方とは?(2回シリーズの後編 前編はコチラ)。

小野寺 前回、「DX」の考え方について、「デジタル化(D)」よりも「トランスフォーメーション(X)」が重要であり、そのための手段として「デジタルの活用」がある、ということを確認し、行政や事業者側の「効率化」事例をお聞きしました。では、市民が「効率化」に向けて取り組むべきことは何でしょうか?

 

DX推進係 市民のみなさんにお願いしたいのは、新しい技術や新しい方法を「使いこなす」という部分です。デジタルを活用した変革の場合、「デジタル・ディバイド」と言って、インターネット等の情報通信技術を利用できる人と利用できない人との間に格差が生じます。その格差を埋めるために「デジタル・ディバイド対策」の取組を市としても行っていて、自宅等を訪問しての出前型スマホ教室※1は好評です。

 

※1 市が一関工業高等専門学校の学生企業「Next IWATE」に事業委託し実施するもので、同社社員2人が自宅などを訪問し、スマートフォンの基本的な使い方やアプリの操作方法などを教える。個人での申込のほか、友達同士、サークルなど複数人(5人程度まで)での申込も可能。問い合わせは0191-21-8633(一関市政策企画課)まで。

 

小野寺 市民センター等でも近年は携帯電話会社によるスマホ教室を開催していますが……。

 

DX推進係 そういった大人数の前だと恥ずかしいという人や、自分の契約外の携帯電話会社が講師だと気が引けるという人に向けて、一関高専の学生スタッフが希望者の自宅に行って教えるという事業をしています。

 

小野寺 家庭内では聞けないんですかね(笑)

 

DX推進係 本当は家庭内や地域などで勉強会をしてもらえると良いのですが、息子・娘には「また聞くの?」と嫌な顔をされるので、聞けないようです(笑)

 

小野寺 自治会運営もアプリなどの活用で効率化が図られることもあるので、自治会の事業としてスマホ勉強会やりましょうね、という流れがあっても良いですよね。飲み会や交流事業の在り方を模索する自治会が増えているので、「飲み会の代わりにスマホ教室をしよう」とか。

 

DX推進係 市の「自治会等活動費総合補助金」の中にも「ICT活用分」というのがあり、自治会内の情報をオンラインで提供するためのシステムを導入する場合にかかる経費を補助します。そうした活用も視野に、まずは使える人を増やす取組に期待しています。

 

小野寺 自分たちの年代の枠で限定してしまうと「関係ない」と思ってしまいがちですが、世代の視野を広げてみると、「いずれは必要ね」と思える気がするんです。回覧板には回覧板の良いところがあるので、回覧板を切り替えるという話ではなく、ツールの使い分け。必要な人に、効率的に情報を届けるために。

 

DX推進係 従来のやり方では限界になっているのに「従来のやり方を変えたくない」という感覚では、今の時代に合わなくなってしまうので、スマホやサブスクなど、新しいものも、いつかは受け入れなければいけない。そういうスイッチを切り替えてあげる手伝いをしていければと思います。

 

小野寺 今はその狭間なんですよね。自治会や地域の団体などでも、例えばこれまで手書きだった資料を良かれと思ってパソコンで作成するようになったことで、「自分はパソコンが使えないから役員はできない」と後継者選びに難航したりとか。でもあと5年くらいすれば、仕事でパソコンを使っていた人たちが役員年代に入りますから、5年後にはまた状況が変わっているでしょうね。

 

DX推進係 5年で本当に変わりますね。意識の差を埋めることが大事で、それは住民だけでなく、行政職員も一緒です。システムが変わるのであれば、システムに合わせた仕事の手順に変えていかなければいけないので、その意識を持たなければいけないのです。

 

小野寺 ちなみに我々いちのせき市民活動センターは、グループウェアを使って日々の業務をこなしているのですが、DX化は進んでいる方ですか?(笑)

 

DX推進係 グループウェアを導入したことで、例えばスケジュール管理も手書きボードから切り替えましたか?

 

小野寺 いや、スケジュール管理は事務所内のボードがメインのままです(笑)自分の予定をいちいち打ち込むのが手間だというスタッフが多くて……(笑)

 

DX推進係 デジタルを導入したら、アナログを1つ削る、くらいの勢いで進めないと意味がないというのが、我々もこの2~3年で実感しているところです。切り替えのタイミングはどうしても二重になってしまいがちですが、1回進めてしまえば、あとは進むしかないので(笑)

 

小野寺 「やめる勇気」ですね。やっぱり今はデジタルとアナログの狭間なので、まずはどこに無駄があるのかを分析、把握できる力を持つということかな。

 

DX推進係 そうですね。それはデジタル以前の問題であって、デジタルを活用して便利になっている具体的なイメージができるかどうかです。知識がないと改善策もひらめかない。DX推進係の設置背景にはそういう部分もあって、今は庁内で何か変革をする際には、DX推進係に相談する流れができています。

 

小野寺 一関市ではゴミの出し方や道路通報に関するアプリがあり、最近では市の公式LINEの配信も始まっています。一方で、一斉メールなど、従来のシステムを使っているものもあり、利用する市民以上に、対応する市の職員も大変なんじゃないかなと思うことも……。

 

DX推進係 当時は画期的だったり、需要があったりしたツールでも、今では古いツールとなってしまったものが確かにありますが、システムを導入してしまった以上、簡単には変えられない現実もあります。ただ、自治体としてはニーズに合わないツールは「やめる」という決断も必要になりますので、常に見直しはしていきます。

 

小野寺 DXというのは、要はデジタル化を推進するわけではなく、デジタルも上手に活用して、効率良く仕事や暮らしを展開させていこうねということ。効率化してできた余力を他の業務・サービスなどに使っていくことが目的であって、バランス感覚が大事ですね。

 

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