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「生産者と消費者のみなさまが笑顔になれるような野菜・商品づくり」をモットーに、自家生産(提携農家含む)野菜や、それらを使用した栄養や安全性にこだわった無添加ドレッシング等を販売。ドレッシングは、規格外となった野菜の加工について学ぶ講座(いわて平泉農業協同組合(JAいわて平泉)主催)への参加を機に、「野菜の栄養価を損なわず、かつ、規格外の野菜でも有効に活用できるもの」という視点で考案されたもの。岩手県が主催する「岩手ぅんめぇ~もん!!グランプリ2017」で6次産業化部門の優良賞を受賞すると、平成29年7月、子育て世代の雇用創出も視野に、事業所を立ち上げました。
(idea 2021年8月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
花泉町で露地・ハウス(季節野菜のほか、西洋野菜など)合わせて年間約80品種を栽培している「Vege fruハーモニー」。代表の渡邊淳子さんの実家は代々専業農家を営んでおり、提携農家の一つです。市内で団体職員として勤務していた渡邊さんですが、体調を崩し退職。実家の農業を手伝いながら療養していると「土に触れることでエネルギーが得られ、体調が回復した」のだとか。また、自身が育てた野菜を産直等で販売し、お客様とコミュニケーショを図るうちに、「消費者は生産物だけでなく、生産者にも興味を持っている」ことに気づき「生産者としてもっと伝えるべきことがあるのでは?」と、平成27年に野菜ソムリエの資格を取得します。
資格取得後は、自身が育てた野菜が持つ栄養価や、栄養を損なわないための調理法・味付けなど、「情報」という付加価値を付けて販売をし、販路を拡大していきました。
「土に触れ、野菜を育てていると、愛着が湧いてくるもの。商品として出荷するには規格がありますが、大切に育てている野菜だからこそ、規格外となってしまった野菜も食卓に並ぶためにはどうすればいいか、次のステップを考えている時に、JAいわて平泉が主催する講座を勧められました」と、無添加ドレッシングの開発に至る経緯を振り返ります。
同事業所が栽培している野菜は多数種に渡りますが、その中でも、色鮮やかで「食べる輸血」と言われるほど栄養価の高い「ビーツ」にはこだわりがあります。ロシア料理などに多く使われる食材で、日本の食卓にはなじみが薄いですが、江戸時代に日本に入ってきたと言われており、「火焔菜(かえんさい)」という和名も。加熱すると一層鮮やかになり、この特徴を活かして出来上がったのが「美ーツドレッシング」です。
平成29年の「岩手ぅんめぇ~もん!!グランプリ」に出品すると、新奇な色合いと野菜そのものの風味を活かしたドレッシングとして高評価。優良賞を受賞し、さらなるステップへの架け橋となったのです。
話題となったドレッシングに続き、「目で楽しむカラフル野菜」として「美ーツソース」「美ーツジャム」「美ーツパウダー」「美ーツ甘酒」など、ビーツの加工品を次々と開発。インターネット通販サイトでも販売しており、女性を中心に「食卓が映える」と話題急上昇中です。
「ラベルやチラシ作成など、共に農業をしてきた仲間の協力があってこそ」と振り返る渡邊さん。現在、自宅敷地内に加工場を設置し、子育て世代の従業員を2名雇用。「お互い様の精神で、育児を中心に無理なく仕事をしてもらっています。彼女たちがいるからこそ商品ができたわけですから。子育て世代の雇用の場創出など、少しでも地域に恩返しができれば」と、子育て経験者目線と野菜への愛情を忘れず、食卓に彩りを添え続けます。
代表の渡邊さん(中央)と2人のスタッフ。看板はスタッフ手作り。
市内の企業からの加工委託も受託。3人で協力して作業します。
自家生産した野菜や、各種無添加商品たち。