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大住正樹 さん
(idea 平成30年5月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆オーナー:大住正樹 さん
◆住 所:〒029-3311 一関市藤沢町黄海字町裏30-1
◆TEL/FAX:0191-63-5831
春の訪れを告げる鳥のさえずり、夏の青々とした田んぼの稲、秋の夕暮れを彩る赤とんぼ、冬の厳しさを包み込む雪の白さ。四季が織りなす自然とともにあり、その恵みを享受している農業ですが、逆に自然に左右される産業ともいえます。この現状を含めて収入の不安定さから農業離れが進み、後継者不足で古くから営んできた田畑をやむをえず耕作放棄してしまうケースも地域の課題の一つとしてあげられています。
今回は一関市藤沢町黄海地区に20代で移住・就農し、現代農業のあり方を考え発信する“おおすみファーム”のオーナーの大住正樹さんに農業と人との繋がりについてお話を伺いました。
大住さんは、埼玉県出身で現在36歳。平成21年に農業を営んでいた祖父の後を継ぐため藤沢町黄海地区へご夫婦で移住してきました。翌年には就農し祖父の代からある3棟のハウスを8棟に増やしメイン栽培しているミニトマトやスナップエンドウの拡充と、消費者ニーズに合わせたケールなどの西洋野菜、各種ハーブを栽培・出荷しています。
「幼少期から母親の実家がある黄海に良く遊びに来て、小学生時代の夏休み期間は黄海で過ごしていた」と語る大住さんは「地域や自然、農業に触れる機会が多く、農業に興味を持ち始めたのもそれがきっかけの一つだったかもしれない」と続けます。
大住さんは、高校卒業後、埼玉県農業大学校に進学し、北海道富良野市で農作業ヘルパー※1を3年間、個人でミニトマト農家を4年間経験してきました。奥様との出会いも北海道でのことでした。
ご夫婦で就農するうえで考えた経営理念が“食卓に夢と希望と彩りを” これは「自分たちが育てている野菜はメインに添えるもの。だからこそ彩りを大事にしたい」という思いを込めたもので、「お客様に喜ばれる特別な野菜の生産」「農業と環境の調和を考え行動する」「健全・安全な労働環境をつくり働き甲斐のある職場づくりを進める」「希望の持てる農業経営を確立し農業者の育成をする」の4つを柱として運営しています。
栽培した野菜は市内の産直に出荷するほか、レストランやカフェにも販路を拡大し、市内のカフェによっては、直売コーナーを設けているところもあります。
大住さんが農業を営む上で大切にしていることは「交流と情報交換」。JA青年部や農村青年クラブ(通称4Hクラブ)※2などの組織に加入し、勉強会、研究会、視察研修などにも本業をおろそかにしない範囲で精力的に参加し、自らの農業経営の発展に努めます。
「農業でも地域づくりでも、今思うのは中間層が少ないこと。父親世代(50代~60代前半)の中間クッションがない分、集まりなんかで若者の総合的意見を直接祖父世代(70代以上)に言うからうまく進まないこともある。せっかく若者たちで話し合った内容でも受け入れてもらえないと
きは残念な気がするね」とこぼしながらも、「自分の農業理念に立ち返り、地域の基盤産業として農業経営の仕組みづくりと後継者育成に力を入れていきたい」と語っていただきました。
※1:「農業に興味がある・農村生活をしたい」 といった主に都市部の若者を全国から募集し、滞在施設で生活しながら野菜生産者養成や農協施設(選果場)で農作業のお手伝いをするという制度のことでJAふらのが平成8年に創設
※2:元々アメリカでの取り組みを参考に作られたもので、Hで始まる4つの単語を信条として活動しています。①Hand(腕を磨く)、②Head(頭を訓練する)、③Heart(心をつちかう)、④Health(健康を増進する)、で「4H」
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