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電子機器業界の中でも特殊電源、産業機器装置、高密度プリント基板設計の分野で、開発・設計・試作から保守まで一貫した受託体制を展開。旧藤沢町の誘致企業として、昭和58年に旧藤沢町立保呂羽小学校旧校舎に岩手工場を設立し、東日本大震災での建物被害や事業拡大に伴い平成27年に現住所(千厩町千厩字下木六)に移転(本社東京都八王子市。代表取締役社長 関山 浩一氏)。
電源の中でも「航空・宇宙・防衛といった過酷で特殊な環境下で使用される電源(特殊用途向けカスタム電源)」の製造を通し、日本の安心安全を担っています。
(idea 2024年3月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
航空自衛隊中等練習機「T4ブルーインパルス」の航法支援装置や、国際宇宙ステーション「『きぼう』日本実験棟」で地球との映像・音声通信中継装置に使用する電源等、航空・宇宙・防衛などの特殊な環境下で使用される「特殊用向けカスタム電源」の製造を主力とする企業の岩手工場が、千厩町にあります。
昭和41年創業の電子部品及び電子装置のOEMメーカーを前身とし、昭和49年、東京都にて創業。昭和58年からは旧藤沢町に岩手工場を構え、医療・産業機器(大手企業の通信機用の電源、携帯電話等の基地局用電源など)を主力とした製品製造を展開してきましたが、徐々に航空・宇宙・防衛・防災等の特殊機器分野事業が加わり、平成21年から拡大。のちに、特殊機器分野に特化した「特殊用途向けカスタム電源」の開発・製造が約7割となり、重きを置いています(医療・産業機器分野の製造は現在も展開中)。
親会社である大陽工業株式会社は、「経営者を育てる」という観点から、約50年前に「分社制度」を取り入れ、分社した14社は、それぞれが得意とする製造技術を最大限に活かしながら発展を遂げてきました。
「工場内の設備は最新鋭・最先端のものばかりではない。航空・防衛等の特殊な電源は小ロットが多く、作業の機械化・自動化を進めにくいという悩みもある。ここで必要となるのが『人の手=社員の技術』なのです。『設備よりも技術者の育成に力を入れている』と言っても過言ではない」と語るのは、常務取締役の加藤裕二さん。「自社ブランド製品はないですが、特殊用途向けカスタム電源の製造メーカーとして社会インフラを支える企業であることを、一人ひとりが誇りに思っているはずです」と続けます。
岩手工場には、現在72名の社員がおり、7割以上が国家資格でもある電子機器組立て技能士の資格を取得、他に39名が品質管理検定資格を取得(令和5年12月末現在)。資格取得を推奨し始めた当時(平成17年頃)は、ベテラン社員から「何で今さら」という声もありましたが、取得支援として場所と材料を提供したり、報奨金制度などを整えたことで、3~4年で社内の雰囲気が180度変わり、現在は資格取得の時期が来ると社員同士で勉強会や模擬試験を開いて実技の練習を行うほどに。
「航空・防衛事業は機密事項が多く、企業PRにも工夫が必要」という同社ですが、経営理念の一つに「人材を人財となるよう育成する」という言葉が。「一人ひとりが主体的に判断しながら働くことができる環境を提供し、若い人でも思いきりチャレンジできる会社」を目指しています。
工場長代理の佐藤浩さんは、「地域発展を願いながら国の仕事も担っているという誇りを持つ技術者を次世代にも繋げていきたい」と、「人財育成」に努めています。
右:加藤裕二さん(常務取締役)
左:佐藤浩さん(岩手工場長代理
工場内の様子。
平成27年、空き工場を買い取り、藤沢町から千厩町に移転。
DATA
インテグラン株式会社
【岩手工場】〒029-0803
一関市千厩町千厩字下木六321
TEL 0191-51-1170
FAX 0191-51-1172