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~郷土愛で支え、発信していく印刷業~
(idea2012.vol10掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
今回の企業の地域づくり取材は、人と環境に優しい印刷物・情報サービスを通し、地域社会への貢献と地球環境の保全に取り組んでいる一関市千厩町のトーバン印刷 株式会社へお邪魔し、代表取締役社長の菅原さんと常務取締役工場長兼制作本部長の熊谷さんにお話しを伺いました。
先代社長で創業者の菅原 正さん(故人)が一関市千厩町に謄写印刷業を開業したのは、昭和30年。鉄筆一本とヤスリ板一枚でスタートした「東磐プリント社」は、平成2年に「トーバン印刷株式会社」と社名を変更し、平成18年に 創業50周年を迎え記念事業を開催しこれまでお世話になった地域の人達へ感謝の意を表しました。時代とともに、印刷の技術は「タイプ印刷」から「オフセットカラー印刷」へと進化を遂げますが、いつの時代も変わらぬ郷土愛を取材の中で感じられました。
「小さな町に商店があり、役場や農協がある。小中高と学校があって、人がいた。だからこそ企業がある。丁寧に仕上げ信頼を築き上げる。会社は、少しでも従業員とその家族がちゃんと生活でき安心して働けるようにする。地元で買い物をすれば、地域の商店街が潤う。そういった循環ができて企業が成り立つ。でも、今は時代の流れに逆らうことはできないから、新しいことにも挑戦していく。」菅原さんは、昭和の古き良き時代を振り返りながらも、盛岡・北上・一関の営業所開設や、現在、県内の印刷会社では5社のみ取得しているという「JIS Q 15001」プライバシーマークを取得し、印刷業・情報加工業として個人情報の適切な取り扱いに努めるなど、変わりゆく企業体制にも積極的に取り組んでいます。
平成13年に、県内印刷業で初めての環境ISOを取得。社員への環境保全教育の徹底や、本社・各営業所周辺の清掃活動はもちろんのこと、一関市室根町で開催される「森は海の恋人植樹祭」では、社員有志やその家族も含め積極的に参加をしています。平成14年には千厩町民憲章推進協議会から「環境保全活動」で表彰されました。
また、地域イベント「千厩夏祭り」へは社員全員が参加し、有志で結成する五心会を中心に製作した山車や、「千厩音頭」を揃いの法被で披露しました。さらに、平成17年には、日頃のお客様のご愛顧に感謝し、一関市藤沢町の縄文ホールを会場に「松田隆行コンサート」を開催。旧東磐井郡内や一関市内の地域住民がコンサートを満喫し、従業員らはイベント初体験ながらも実行委員会を中心としてこのコンサートを盛り上げたのです。
今回の取材で、創業50周年記念誌を拝見し、たくさんの写真の中に従業員の笑顔がありました。同社従業員が自ら積極的に地域行事や環境活動に参加している姿を拝見し、企業が従業員の安心や安全をサポートし、その家族も含め包み込んでくれることで、信頼関係が築き上げられ従業員の活発な地域活動参加に繋がるのではないかと感じました。
心温かい記念誌と、創業者で初代社長の菅原さんの人柄、ご夫婦で築き上げた千厩での開業、社員も家族のように受け入れ、支え・支えられ、たくさんの愛情で企業が発展し、地域に感謝している様子が伺えました。