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~人と社会と地球のために~
(idea2012.vol8掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
今回、企業の地域づくり活動取材は安定した製品供給と廃棄物処理を通じ地域社会に密着している「三菱マテリアル株式会社 岩手工場」へお邪魔し、総務課の成澤 淳裕さんにお話しを伺いました。
三菱マテリアル株式会社 岩手工場は、東北地方の振興を目的とした国策事業であった東北開発株式会社を前身として1958年より操業開始。1991年から三菱マテリアル株式会社 岩手工場となりました。「地元地域住民にとっては【東北開発】と言う名の方が親しみがあるのでは?」と、成澤さんは話します。
東北のニーズに合わせたセメント作りを行なう同社 岩手工場では、環境対策として法律に基づき、騒音測定・粉塵測定・臭気測定などを定期的に実施し、その結果を都度、地域住民が不安に思わぬよう住民や市に報告・開示をしているとのことです。
1992年からは天然資源だけではなく産業廃棄物を高度なリサイクル技術で駆使し有害物質や廃棄物を発生せずセメントの原料及び熱エネルギー代替として有効活用し、天然資源の保有にも務めています。
昨年3月11日に起きた東日本大震災後、一関市内(木屑)・沿岸部の廃棄物(がれき等)の受入処理を行なっており、震災前に負けない、きれいなまちづくりのために活かすという循環型社会への貢献にも積極的に取組んでおります。
震災廃棄物の受け入れには、同社 岩手工場に隣接している3地区の区長らや役場・官庁(労基署、保健所等)また、従業員それぞれに放射能についてなどの説明や勉強会を設け、区長や官庁関係については、直接足を運んで説明を実施することもあり、常に丁寧な対応を心がけています。
地域住民の意見を取り入れ双方が納得した上での事業展開について成澤さんは「安心・安全の管理を徹底しているのは地域住民・従業員のためで、我々の責務です。」と、語っていました。
震災後の一関市内も停電や断水などに見まわれ、同社 岩手工場でも操業の中断。そんな中、本社をはじめ、各事業所からさまざまな救援物資が届きました。しかし、情報手段が限られる中、沿岸部の被害が大きいと知った従業員たちは、自分たちの救援物資を最小限にし、翌日から17回に亘り救援物資を沿岸部へ届け、その後も全社的に希望者を募り、定期的にボランティア派遣を実施しました。また、近隣での断水にも素早く対応し、同社 岩手工場の井戸水を提供しました。
同社 岩手工場では、工場見学を積極的に実施しています。「【なにをつくる会社?】【セメントってなに?】ということを知ってもらえるチャンスと考えています。」と成澤さん。工場見学ご希望の場合は、三菱マテリアル株式会社 岩手工場 総務部までご連絡ください。
取材には、終始優しい笑顔でお話してくれた成澤さん。震災復興 循環型社会への貢献のお話しがとても印象的に感じました。これからも地域の企業として、私たちの生活を支え続けて欲しいと思います。