※お願い※
記事内の写真や資料は、当情報誌での使用について許可をいただいて掲載しております。
無断での転載などの二次利用はご遠慮ください。
代表 伊東 清司 さん
(idea 平成29年11月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆代 表:伊東 清司 さん
◆連絡先:〒029-3311 一関市藤沢町黄海字八景下116
◆電 話:0191-63-3826
◆FAX:0191-63-4154
一関市藤沢町黄海地区にある伊大建築は、屋内修繕や各種リフォーム、一般住宅建築などを担う、“まちの身近な大工さん”です。大工職人だった伊東さんの父が昭和50年頃に伊大建築を旗揚げし、その後、息子の清司さんが二代目として家業を引き継ぎました。
「私の父の世代(60代以上)の方々は、『手に職を持つ』という考えから大工になる男性が多く、実際町内にも、個人事業主の大工職人さんが多くいます。私は、父が平成24年に亡くなったため、30代で伊大建築の代表となりましたが、周りはほとんど年上の大先輩ばかりですよ」と語る伊東さんは、地元の高校を卒業後建築関係の専門学校に進学したものの大工とはかけ離れた職場に就職。それでも数年後、父に弟子入りし大工を継ぐことを決意したのは「小さいころから大工をしていた父親の影響が大きかったから」と伊東さんは振り返ります。
大手建築企業と違い個人事業主である大工の強みは地域の人脈。町内の大工さん同士で情報を共有しながら、手伝いの必要な現場に向かったり、逆に手伝いが必要なときにはお願いをしたりとお互いの運営状況により人材のやりとりもしています。「同じ大工であっても得意な分野がさまざまなので、『あそこの○○さんならこんなことできるっけよ』なんていう情報もありがたい」と語り、「父が他界し、私が伊大建築を継ぎましたが、なによりも地域のみなさんや大工仲間に支えられてきました」と続けます。
現在の課題について「同年代や若い大工が地元に少ないこと」と語る伊東さんは、「私たち大工はものを造ることが仕事ですが、地域に根ざす若手大工の育成も必要ではないか」と感じているそうです。
藤沢町の特設会場で開催される夏の一大イベント、「縄文の炎・藤沢野焼祭」。今年は8月12日~13日にかけて開催されました。このイベントの中でひときわ注目を集めたのが、“特設ボルダリング”です。
この特設ボルダリングは藤沢町住民自治協議会の中の若者チーム「FEST」が「野焼祭りをもっと楽しめるイベントにしたい」という思いから提案し、話し合いを重ね実現したもので、その設置に伊大建築さんが全面協力しました。伊東さんは、「お話を受けたときは正直ビックリしました。仕事でしか物事を考えていなかったので、ものをつくることが“地域貢献になる”と思っていませんでしたから。地元の若者が集まり色んなことを考えながら、事業を展開できたことに少しでも携わることができ本当に良かった」と語る伊東さん。
「藤沢町住民自治協議会のことや若者チームのことをこれまでは『どこか別世界の話』という感じでいましたが、今回イベントに関わることで『地域づくり』を知るきっかけにもなりました。今後も地域を盛り上げる提案があればぜひものを“つくる”ことで地元に貢献していきたい」と力強く語っていただきました。
野焼祭り当日は残念ながら雨降りでしたが、
子ども達に大人気となったボルダリングでした。