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(左)代 表 佐々木征子さん
(右)副代表 佐々木由美子さん
(idea 平成30年6月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆代 表:佐々木征子さん
◆住 所:〒029-0211 一関市弥栄字茄子沢236-15
◆電話/FAX:0191-43-2080
一関市弥栄地区の女性で構成する合同会社弥生グループは、味噌加工を中心に、「がんづき」や「おふかし」「だんご」などを製造販売する企業で、平成14年の旧JAいわて南弥栄支店の統合をきっかけに発足。更地にする予定だったJA同支店の建物を加工場として利用しています。「地域の交流の場がまるきりなくなってしまうのは淋しい。だから、自分たちの手で何とか建物を残し地域の発展に利用できないか考えた」と、当時を振り返るのは二代目代表の佐々木征子さんです。
地理的に一関市内と旧東磐井郡のちょうど中心部に位置する弥栄地区は、双方から嫁入りする人が多く郷土の味もさまざま。そんな女性陣が交流を深めたのはJA女性部の集まりで、その活動の中から、平成13年に有志12名で、地元大豆を使用し弥栄の味を生み出す“みそ加工研究所”を立ち上げました。
当時、一関市全体のJA女性部長であり、のちの弥生グループ初代代表になった佐々木マツコさんを中心に、「建物を取り壊すなら、私たちに味噌の加工場として貸してもらえないだろうか?」とJA組合長に直談判し、女性陣も団結。慣れない資金集めや、加工製造計画の作成、年間の販売計画等々それぞれが役割を持ちながら着々と準備を進めました。
その後、県や市からの補助金と足りない分を会員12名で出資し合い、取り壊す予定だった建物を加工場として借り受け、みそ製造を始めました。
事業が軌道に乗ってきた平成19年に「みそ加工研究所」から「合同会社弥生グループ」と、更なる発展を期して新たな一歩を踏み出したのです。
グループ名の「弥生」は、「弥栄に生まれ、弥栄に生きる」という意味だと教えてくれた征子さん、「ここは仕事場であり、交流の場でもある私たちの大切な居場所」と語り、「昔ながらのおふくろの味をお客様に喜んでもらえるように一つ一つ心を込めて製造しています」と続けます。
同社が製造している製品の一押しは、岩手県南地方などでよく作られる「がんづき」。砂糖や卵などを加えて練った小麦粉の生地を蒸して作る郷土菓子で、味噌味・塩味・クルミ入りの3種類を販売しています。まるでシフォンケーキのようなふわっとした作りで、素材の味を活かすもっちりとした食感。商品化するにあたり、材料のほとんどを地場産にこだわり、試行錯誤を重ねた結果、今までにないふんわり感を出すのに成功したのだと言います。この、がんづきは当時北上川に完成した大橋にちなみ「大橋がんづき」と名付け、川崎町の道の駅で販売をしていましたが、市外からも注文が入るようになり、今や県内のデパートやスーパーなどのほか、年数回東京・巣鴨で開催される「一関の物産と観光展」でも販売されています。
同社発足のきっかけとなったメイン商品「弥生みそ」は、大豆の味をしっかり残し塩分控えめでうまみがあるのが特徴で、学校給食センターにも納品しており、地元小学校の企業見学の受け入れにも協力しています。
最後に「メンバーと協力し、新しいものを探りながら『自分たちで作った会社だ』という誇りを持ち挑戦もしながら継承し続けたい」と語っていただきました。
大橋がんづきのほか、だんご・おふかし、黒豆ご飯、しそ巻、梅干しなどの加工製造も手掛けます。