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看護師が患者の自宅等を訪問し、患者の病気や障がいに応じた看護を行う「訪問看護」。主治医の指示を受け、リハビリや点滴、注射など、病院と同じような「医療処置」が可能な点が「訪問介護」と異なります。
令和2年1月に設立した「合同会社エール」は、同年5月から訪問看護事業所「いつもの訪問介護ステーション」を開所。「エール」という言葉には、「応援」のほか、フランス語で「翼」という意味もあり、「様々な治療を受けながらも、住み慣れた地域・住まいで生活を送るために医療・看護の面からサポートし、利用者やその家族の方々が翼を得たように自分の人生の目標に向かって進むことを応援したい」という思いで社名に起用しています。
(idea 2021年10月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
合同会社エールの管理者(設立者)田頭賢治さんは一戸町出身で、青森県内の看護学校で看護師と保健師の資格を取得。平成19年、岩手県立南光病院に勤務することとなり、一関市に転入します。
看護学校在学中は「こころの健康」に強い関心を持ち、前職では精神科の看護師として「こころの不調」へのケアを行っていた田頭さん。
看護師として病院内でケアを行う中で、「重要なのは入院治療だけではなく、普段の生活の場である自宅などにおける『こころの健康』なのではないか」と感じるようになったのだとか。
医療技術の進歩や国の医療費適正化計画により、昔に比べて入院期間は短くなり「在宅で治療を続けることが多くなってきている」という昨今。「こころの健康も同様で、入院治療だけではなく、通院しながら在宅でどのように治療を続けていくかが重要になってきている。治療を取り巻く環境が移り変わる中で、これまで以上に身近な存在として、利用者やその家族の方々の住み慣れた場所で、治療のお手伝いができれば」と、一念発起。令和2年、訪問看護ステーションを立ち上げたのです。
「起業した人や個人事業をしている知人が身近にいなかったことなどもあり、訪問看護事業を立ち上げるまでは本当にやっていけるか不安がとても大きかった。そんな中でも新しいことに挑戦することを快く受け入れ、サポートをしてくれた家族に大変感謝している」という田頭さん。
「訪問看護の承認を得たのが令和2年の5月1日、まさに全国的な緊急事態宣言の真っ只中で、利用者や支援してくださる医療機関、介護支援専門員のいる事業所へのあいさつを対面で行うことができず、事業所の特徴や利用者への説明が直接できないもどかしさがあった」と振り返ります。
現在、一関市内には訪問看護事業所が十数か所あり、それぞれに看護における得意分野や、夜間や早朝、休日対応の有無など、サービスに「強み」があります。同事業所は、体のケアのほかに、ストレスや精神疾患の治療、認知症状で悩んでいる方の「こころの不調への支援」が強み。心も身体も生き生きと生活していくことができるようなサポート体制を整えています。
「訪問看護というとあまりなじみのない職種かもしれませんが、治療を在宅で続ける一人ひとりに寄り添いながら、個人や家族と地域福祉、そして病院との橋渡し役だと考えています。在宅治療における身近な存在として、私たちの『いつもの訪問看護ステーション』という名前が自然に出てくるような、そんな事業所でありたい」と今後の目標を見据えます。
「いつもの所に相談しよう」そんな存在になれるよう、今日も10代~90代に至るまで、幅広い年齢層の利用者の元を笑顔で訪問しています。
現在の登録利用者は25名で、訪問件数にすると月120件ほど。
事業所外観。保健師1名、看護師2名、看護補助員1名が在籍。
管理者の田頭賢治さん。精神疾患や認知症状のケアが強み。
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