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（idea 平成27年７月号掲載）※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

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◆代表取締役社長：及川　豊(のぼる)さん　※取材当時は小野寺　規夫さん　

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　「3つの宝『宝の山』室根山『宝の石』室根石『地域の宝』室根総合開発」自分たちの地域にどのような宝（地域資源）が眠っているのか。その宝をどう活かし、どう発信していくべきか―。

一関市に合併する以前の平成9年4月、当時の室根村では「21世紀に輝く村づくり」を推進するため、官・民の共同出資（当時の村が55％）第3セクターとして室根総合開発株式会社を設立。同社は、自然豊かなこの村の恵まれた資源の高度利用開発と地場産業を通した村の発展の担い手としてスタートを切りました。

　現在は、地域内の企業主9名が取締役となり、庶務経理・石化事業・受託事業・物産事業を下部組織に、平成19年からは、室根高原周辺大東地域側の併設施設管理も担い、地域資源・施設を利活用した事業が行われ、地域雇用の場の確保、市内外からの観光の受け入れ等地域に潤いを与えています。

　北上高地の南部の独立峰として知られる室根山は、一関市室根町にある山。周囲1495ヘクタール、標高は約895mあり、山頂からは太平洋を含む360°のパノラマが望め、春はつつじのピンク色、初夏は濃い緑、秋は紅葉、冬の雪化粧。四季折々の自然の姿で私たちを楽しませてくれます。

　また室根町には、古来より恵まれた花崗岩の自然石群が各所にみられ、地域に産する自然石群を総称して「室根石」と呼ばれています。この室根石は従来の墓石や建築用材のほか、庭園や親水公園などの環境保全、環境整備用として全国各地から脚光を浴びています。

　「石は永久に保存ができ、かつ公害になりません。石材の活用は、生活環境はもとより自然環境の保全や社会環境の改善に大きく役立つんですよ」と語るのは同社業務部長の小山さん。地域資源をよく把握している一人です。「しかし石というのは、形がいいからこの値段、色が良いからこの値段というように、もともと値段がなく職人が発掘された石の現状で決めていたものです。それでは買い手が納得いかなかったり、不安になったりしますよね？」と続けます。

　小山さんは、地域資源である室根石に、石材規格に見合った価格を表示することで流通の仕組みを変えました。「地域資源を把握した上で価格表を提示したことによって、求めるお客様も納得し安心してご購入いただけるようになったと思います」小山さんは、同社のホームページ作成、ポスター・チラシ・パンフレット作成も行っており「最大限地域の魅力が伝わるよう、手に取ってくれる方の目線で考えて作成しています」と語っていただきました。

　同社では、地域の石に興味を持ってもらうため、また地域の方々へ日頃の感謝を込めて毎年「春のむろね石まつり」を開催しています。室根石や天然石の他、輸入石を使用し可愛らしい動物に加工した置物等幅広く品物を取り扱うほか、むろねーじゅワイン等地域特産品販売しています。イベントでは、手打ちそばや自家製石窯ピザ、お餅のお振る舞いも大人気。

　これからの季節、室根高原でのイベントも企画しているとのこと。「自然豊かな室根へぜひいらしてください」と笑顔で語っていただきました。