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店主:西村 大輔さん
(idea 平成30年8月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆店 主:西村 大輔 さん
◆住 所:〒029-0803一関市千厩町千厩字町218
◆電話/FAX:0191-52-2450
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千厩町新町通りにある老舗のお茶屋“恒春園茶舗”は、昭和23年に現店主である西村大輔さんの祖母が開業し、西村さんは3代目店主です。
西村さんの祖母が、戦後の混乱状態の中で生計を立てるためお茶屋を立ち上げました。“恒春園茶舗”という店名には祖父の名前を取り入れたそうです。
昭和62年から平成17年までの間に、千厩町新町通りでは区画整備型街路事業が行われ、その期間に店舗の移動と改装を行い、現在の場所で新たなスタートを切りました。厳選された静岡県掛川市の茶葉や西村さんオリジナルの千厩ブランド茶葉など数種類の茶葉が並ぶほか、急須や湯飲みなどのセトモノも陳列され、店内で焙煎しているほうじ茶の香ばしい香りに包まれながら、目でも楽しむことができます。また、店内には休憩スペースもあることからゆっくりと商品を選ぶこともできます。さらに、千厩町では茶道の先生方やお弟子さんも多くいるため、茶道で使用する各種道具も取り揃えています。
「昔は急須でお茶を入れ、セトモノを売っている場所も限られている、そんな時代でしたから町内のお茶屋というのはなくてはならない商売だったのかもしれません。しかし、今はお茶やセトモノの販売だけでは商売が成り立ちません」と西村さんは現状を話します。
区画整備を機に、祖母から父が繋いできたこの店を何とか盛り上げたいと試行錯誤した西村さんがたどり着いたのは、お茶に合う和菓子“たい焼き”でした。
「もともとあんこ作りに興味があった」という西村さんは、お茶に最も合うあんこの甘さを研究し、平成28年12月に店内の一部をリニューアルして、たい焼きの販売を開始しました。あんこは毎日手作りしています。「昔は、愛宕や東栄町にも何軒かたい焼き屋さんがありました。肌寒くなる10月になると、たい焼きの皮とあんこの甘い香りが漂ってきたものですね。今の千厩町内には残念ながらたい焼き屋さんはなくなりましたが、新町に来れば“つねはるえん”で販売しておりますよ」と笑顔がこぼれます。
お茶だけにこだわらず、「地域の笑顔のために」と頑張る小さな町のお茶屋さんは、時代の変化とともに新たな取り組みに挑戦しているのです。
一昔前だとペットボトルのお茶を購入する人は少なかったのですが、現在では「まるで急須で入れたようなお茶」を手軽に購入することのできる時代。そんな中、町内の銀行から「職員に美味しいお茶の淹れ方を指導してもらえないか?」と声がかかったのは今年5月のこと。「正直びっくりしましたが、お茶屋だからこそできる活動・繋がりだな」と承諾。東京のお茶屋で修業をしてきた経験も活かし、職員6名を対象に「お茶の淹れ方教室」を開催しました。「やはり普段は急須を使わないという方が多かったのですが、今回の教室を機に興味を持ってくださった方もいてとても嬉しかったですね」とほほ笑み「今後も依頼があればできるだけ対応していきたいですね。お茶の淹れ方に多くの方が興味を持ってくだされば」と続けます。
自家製あんこのたい焼きは、10月からの販売ですが夏場はあんこのせソフトクリームやかき氷も販売しています。「お客さんに楽しんでもらうことが好きなので、創作ソフトクリームは常に研究中です。期間限定の場合もあるでぜひ店頭に来てみてください!」と気合を入れつつ、「メニュー表示をもっと工夫しないと」と店内を見渡すのでした。
暑い夏はソフトクリームやかき氷も販売しています。