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  室根町矢越の県道18号本吉室根線にて、酒・たばこ・食品・雑貨等を販売する「星商店Ｙショップ室根店」と、ガソリン等の販売や各種サービス業務を行う「星商店ＳＳ(サービス・ステーション)」を展開。85年前に現住所に店舗を構え、米の取り扱いや、各種食料品を販売する「星商店」を開業、昭和20年代後半には灯油販売、昭和30年代にはガソリンやＬＰガス、肥料等の取り扱いを開始。平成25年からは「ヤマザキＹショップ」の加盟店となり、地域の総合ストアとして展開中。老々世帯や一人暮らし高齢者世帯の増加を受け、月に１回、ガス点検のタイミングで高齢者宅の見守りも行っています。

（idea 2021年11月号掲載）※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

　「この本吉室根線は、気仙沼市と繋がっており、一昔前は商店も多数ありましたが、現在は３店舗ほどになりました」と話すのは、室根町矢越で創業85年になる星商店４代目の星和行さんです。「車社会や主要道に面したスーパーの発展により、集落の小さな商店は経営が難しくなり、店主の高齢化や後継者もいないなど、店を閉めざるを得ない状況にあります」と続けます。

　星商店は、約95年前に和行さんの曾祖父が創業。薪や、気仙沼市から買いつけた旬の魚を集落内で販売することから始まり、その後、練炭販売・米の取り扱いやフキの買い取りなども開始。近くには旧釘子小学校もあったため、食料品や雑貨など住民の需要に応じて「なんでも屋」として地域の生活を支えてきました。

　灯油販売を導入したのは、昭和20年代後半。当時は電気の普及率が１００％ではなかったため、ランプの燃料として需要があったのだとか(本格的に灯油の需要が増加し始めたのは反射式ストーブが普及した昭和40年代前半から)。

　昭和30年代前半からは、バイク等の普及を受け、ガソリンの取り扱いを開始。同じ頃、薪の需要が減少し、ＬＰガスに移行すると、ＬＰガスの取扱店としても登録(当時はガスメーターでの販売ではなく容器１本売りだった)。ガス器具や暖房器具類の販売も行うようになります。

　「あ！買い忘れ」「農作業のおやつを……」「ちょっと話語りに……」そんな日常生活の「ふとしたとき」に役に立つ近場の商店。同店では以前から飲料や菓子類、パン類等を取り扱っていましたが、平成25年からはヤマザキＹショップの加盟店となり、お酒やたばこ、食料品(とくにパン類や弁当類)や雑貨等、取扱商品をより一層充実させました。

　また、商品の配達も行っており、近隣にある「国際医療福祉専門学校一関校」へはパン類の納品(販売は学校側)、住民や団体等からの注文にも柔軟に対応しています。

　「最近はこの地域でも高齢化が進み、一人暮らしの高齢者も増えているので、できる限りそういった買い物に支援が必要な方にもサービスが行き届くような商店でありたい」と星さん。実際、ガス点検で月に一度地域内を回るため、高齢者宅などでは見守りを兼ねて直接声をかけるようにしています。その際、高い所の作業や電球交換などを依頼されることもあると言います。

　「今後は益々、そうした依頼が増えてくると思いますし、依頼内容によっては他団体や地域の民生児童委員などとも繋がっていかなくてはならない状況になるかもしれません。人口も少なくなる中、高齢者が地域で安全安心に暮らしていけるよう、『地域のなんでも屋』として、今後も見回り時(月１回のガス点検時)の声がけを行い、商店と地域の『顔が見える関係性』を築きたい」と、地域に根差した商店であり続けます。

ＤＡＴＡ

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一関市室根町矢越字宿26-1

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