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代表取締役 阿部信夫さん
(idea 平成30年2月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆代表取締役:阿部信夫さん
◆住 所:〒029-3101 一関市花泉町花泉字葉野木田53
◆電 話:0191-82-4740
◆FAX:0191-82-4740
農業生産法人として岩手県で6番目に設立された有限会社ドリファー花泉は、集落内の農用地や農業機械・施設等の有効活用や生活環境整備などを促進することにより、農用地の保全、農業生産の向上、農家経営の安定に努め豊かでゆとりある地域社会を形成することを目的とした上金森集落営農組合の上部組織で、平成15年3月に賛同する有志で結成しました。
2階建ての家をイメージした運営の仕組みが特徴的で、1階に上金森集落全戸加入(30戸)の上金森集落営農組合を置き、農用地利用改善団体として集落の意見を取りまとめ、法人との仲介や転作田作付け調整を行う機関とし、2階部分にあたる有限会社ドリファー花泉(独立採算制)が、農作業の受託・請負、集落雇用、作物栽培や加工・販売、観光農園の経営、各農家への精算等を担っています。
設立から間もなくして、その特徴的な仕組みを学ぼうと視察や講演依頼が殺到。平成16年11月には一関地方農林振興協議会から一関地方農林業賞(担い手部門)を受賞しました。
金森集落は、世界的にも貴重な発見と言われる獣骨「ハナイズミモリウシ」が出土した金森遺跡を有する花泉町花泉地区の西部に位置し、金流川の上流、主要地方道の弥栄・金成線沿いに広がる農村集落で、古くから水稲を中心に果樹(りんご・梨)生産が盛んです。
しかし、年々進む高齢化や後継者不足により個々で農業を営むことに不安を抱える住民も多く、集落の課題の一つとなっていました。
現代表取締役の阿部信夫さんも専業農家を営み課題と向き合ってきたその一人。集落の農林連絡員も担っていたため「将来的な事を考えるとなんとかしなければ」という思いを抱いていました。
阿部さんは集落営農について学び、当初は農事組合法人の立ち上げを検討し集落に声がけをしていましたが、基盤整備直後で集落として負担金が残っていたこともあり、住民からは賛同が得られず振り出しに。その後も様々な方法を考え「会社方式にしてはどうか?」との意見から、その仕組みづくりを住民と協議してきました。
同社では昨年10月に販売開始となった、岩手県最高級米「金色の風」や「いわて純情プレミアムひとめぼれ」など付加価値米の栽培・販売を手掛けています。「いわて純情プレミアムひとめぼれの栽培は県内でも当社だけ。農薬使用削減や食味値検査による選抜など厳しい栽培品質基準があるが、これも企業として管理することで安定して生産できるのではないか」と阿部さん。また、「現在も視察研修の問合せには対応しています。昔から営んできた農業ですから、衰退していくのをただ見ているだけではなにも始まりません。私たちの集落だけではなく、市内にもそういった課題を持っているところがあるのではないでしょうか?集落で運営するためにできること、出来ないことを整理し集落全体の潤いにつながるよう今後も様々なことに挑戦していきたい」と続けます。さらに、「集落に伝わる郷土文化“御囃子”も農業とともに次世代に伝えていきたい」と将来に向けた展望も語っていただきました。
集落営農の拠点 有限会社ドリファー花泉の施設