※お願い※
記事内の写真や資料は、当情報誌での使用について許可をいただいて掲載しております。
無断での転載などの二次利用はご遠慮ください。
(idea 平成27年10月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆局長:高橋 圭 さん
◆連絡先:〒029-0303 一関市東山町松川字町裏64
◆電話:0191-48-2150
◆FAX:0191-48-2151
東山町松川にある松川町郵便局は、明治34年から続く歴史ある郵便局。昭和63年10月に現在の場所に移転したこの建物で働くのは、局長の高橋さんと2名の従業員の方。営業時間は9時から17時ですが、その間にもたくさんのお客さんがやってきます。
松川町郵便局の局長を務める高橋さんは、生まれも育ちもここ、東山町の松川。「地域に貢献しているという意識はそれほど強くはありませんが、地域のみなさんのおかげで今日まで来ている」と語ります。利用者の9割以上が松川の地域の方というこの郵便局では、局長さんの自宅や家族構成まで分かっている顔見知りの方がほとんど。そのため、とても安心感があると言います。「貯金を積んだり下ろしたりするだけならATMで十分」と語る高橋さんの元には、地域の誰が亡くなった、誰が入院した、というような情報がたくさん集まってきます。お客さん同士も顔見知りで、手続きが終わった後にもかかわらず、話し込んでいることもあるそう。そんな高橋さんに、郵便局と地域との関係についてお話を伺いました。
実は高橋さんは、様々な団体の役員を引き受けており、松川小学校の閉校式では実行委員長を務めるなど、松川の地域の住民からの信頼が厚い方です。「赤い振込用紙はもらう側が手数料を負担しますが、青い振込用紙は送る側が手数料を負担します。どの手段を選ぶかについて、会議に私が参加していれば一番効率的で良い方法を選択することが出来ます。例えば、大きな文集を郵送するときに、大きな封筒ではなく、レターパックを使用することを提案した事もありました。たまには別の案が採用されることもありますが、郵便局の商品のPRにもなりますし、郵便局って便利なところだよねという意識を持ってもらえれば」という言葉からは、郵便局での勤務で得た知識や経験が、地域で活動している様々な市民活動団体の活動に生かされていることが伺えます。「松川には、様々な市民活動団体があり、その団体名義の口座も多くあります。会費や事業費の管理をして頂くうえで、松川で唯一の金融機関である松川町郵便局がなくなると、隣の地域の長坂や薄衣まで足を運ばなくてはなりません。地域を守るためには、郵便局を地域に組み込んでもらう事が必要です」と高橋さんは語ります。
地域に住んでいる高齢者の中には、年金に関する行政からのハガキや通知を読んで、添付書類や記入内容についてどこに聞けばいいのか分からない方も多くおり、そんな方の多くは郵便局に相談にやってきます。「金融弱者と呼ばれる高齢者のお世話をすることで、郵便局にお世話になっているという事がその子供の世代や孫の世代にまで伝わり、結果的に郵便局を使ってくれることにつながる、そんな波及効果があると思います」と語る高橋さんの元には、さっそく松川市民センターの所長さんからの別件の相談が。「退職した後も、OBとしてではなく、利用者として、郵便局が存続していってほしい」と笑顔で語ってくれました。