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全国各地から各種青果物・農産加工品を仕入れ、青果として卸せないものは加工し、食品工場やスーパー、個人飲食店等の外食産業に販売するなど、青果物および食品の流通加工を行う。旧本社の創業は昭和28年(長崎県諫早市)で、地元の4兄弟が生姜販売を開始。四男(初代)は、当時の花泉町に東北営業所を開設(昭和45年)、同営業所は事業拡大に伴い「株式会社丸越」として法人化(平成6年)。同年、本社所在地を現住所に移し、旧本社を長崎支店と改める。初代に後継者がいなかったことから、事業継続のため遠藤商事株式会社(代表取締役・遠藤靖彦氏(※))のグループ傘下となり(平成20年)、現在もこだわりの青果物を全国に流通させている。
※山形県本社の石油関連企業。М&Aにより株式100%取得。
(idea 2024年9月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
株式会社丸越の初代は、兄弟たちと個人事業主として昭和28年から長崎県で「生姜販売」をスタートし、自身は東北に行商へ。その中で東北における生姜販売の可能性を感じ、花泉町(当時)に東北営業所を開設(昭和45年)します。
東北営業所への工場併設、冷蔵施設や貯蔵施設の拡張を経て、平成5年には生姜のみならず、全国各地(地元含め)の青果物の取り扱いを開始し、パック包装等にも対応。翌年には法人化(独立)しました。
また、「有機栽培の国内産生姜やにんにくが無い」ことに着目すると、小分け業者および生産工程管理者の有機JAS認証を取得。試験栽培を経て、平成17年、藤沢町(当時)に自社農園を立ち上げると、生姜・にんにくの有機栽培をスタートしました。「農産物は、作る土地・自然環境、そしてそこに生産者の思いも加わり『味』や『安心感』というものが生まれます。生産者と一緒に、水や土、肥料などについて話し合いながら『食づくり』のサポートをしています」と、同社常務取締役の片平忠明さんは語ります。
同社では、パック品として出荷できない原料も無駄にすることなく、衛生管理システムを備えた専門工場で一次加工(100%無添加・無着色。不純物なし)し、食品工場や外食産業、小売業者等のニーズに合わせて小ロットから販売しています。
冷蔵施設や貯蔵施設、低温倉庫等の施設も充実しており、生姜やにんにくを中心に、全国の生産者等から仕入れた各種青果物、農産加工品を「通年安定して取り扱うことができる」ということが、同社の強みです。
農福連携事業として「社会福祉法人平成会」の利用者を施設外就労として受け入れている同社(現在20人)。「細かな作業を担ってくれています。農業の現場で働き、土や新鮮な農産物に触れて五感を刺激することで、心の安定につながるようです。今後も農福連携事業は継続し、互いに学びを得ていければ」と、片平さん。
現在、同社の従業員は約150人(内24人が長崎支店)で、平均年齢は40代後半。「地元農家の農産物(ピーマン、リンゴ等)の買受もしているため、ぜひ、若い世代にも、地元農産物の取り扱いや食にまつわる安全・衛生に興味を持ってもらいたい」と、若手人材確保にも意欲を見せると同時に、安心安全な食材を全国各地に提供し続けるために、人手不足を補う自動化や効率化を考えた機材の導入も検討しています。
生産現場と直につながることにより「安全」で「おいしい」青果物を全国に提供する同社。生産者や品目などを絞り込んで産地契約を結び、ニーズに合わせて全国に送り出しており、その販路は全国に300社以上あります。天候等で収穫高が左右される青果物を、同社の強みである加工冷凍等の一次加工を取り入れることで、安定的に消費者へ安全・安心を届けます。
常務取締役の片平忠明さんと自社製品。
貯蔵施設内には全国各地の青果物が並ぶ。
青果物の選別作業。この後、顧客ニーズに合わせ、小分けパックに。