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新築・リフォームのほか、住まいに関する様々な相談に対応。代々大工職人の家系から、平成23年、個人事業所の「奈々屋」を経て、平成29年に法人化。「これからの住まいづくりをともに考えられる、地域に根差した場所であり続けたい」と、令和5年に現住所に事務所を構え、同時に「地域住民の交流の場づくり」という視点から事務所内に「レンタルスペース」もオープン。事務所内では、月に一度の「ワンコインイベント」を企画し、同時に家づくりに関する相談会も実施。伝統的な日本家屋の歴史の中で培われてきた技術を活かしながら、「新しい日本の家づくり」を提案し、情報発信にも力を入れています。
(idea 2024年4月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
「高気密・高断熱・高耐震」の家づくりにこだわりを持つ株式会社奈々ホーム。一代で築き上げた千葉正樹さんは、曾祖父・祖父・父と三代にわたって大工職人の家系で、「いつか自分も大工として家を建てたい」と将来像を描き、高校卒業後に父のもとで修業を重ね、平成23年に独立、「奈々屋」を創業します。
大工として現場に立つ傍ら、二級建築士の資格を取得し、「昔ながらの日本の家づくりの技法を活かしつつ、住み続ける人々(家族)が快適な生活を育むための住まいづくりとは何か?」を模索する中で、現在のこだわりである「高気密・高断熱・高耐震」の家づくりにたどり着きます。
そんな同社の目標は「一関市の既存住宅を全て高断熱の省エネ住宅にする」こと。「家の中の温度差が原因で起こるヒートショックは、交通事故での死亡者数の約7倍と言われており、特に昔ながらの日本家屋は大工技術が活かされた造りにはなっているものの、当時は高断熱という技術が乏しかったため、断熱材が使用されていない(無断熱)、もしくは、使用されていても満足な量ではない場合がほとんどで、高齢化が進む一関においては突然死を招き、人口減少の加速にも繋がるのでは」と懸念しています。
同社は新築やリフォームに限らず、「高気密・高断熱・高耐震」に関する国の補助金制度など情報発信や相談窓口の強化にも努め、より多くの方に実際に体感してもらおうと令和5年に新事務所を開所しました。
令和5年に開所した新事務所は、約40年前に千葉さんの祖父が大工として手掛けた物件。「これを壊して建て直すのではなく、進歩した今の技術を用いることで、建物を再生したい」という思いが込められた事務所です。事務所にはレンタルスペース(交流スペース※1)を併設し、「曾祖父の代から地場産業としてお世話になっているので、地域住民のみなさんが集い交流できるような事務所をつくり、地域に恩返しがしたい」という千葉さんの夢を実現しました。
※1 利用料等詳細は本誌裏表紙「おしらせ」参照
レンタルスペースは、サークル活動や企業の会議等、利用回数は増えており、最近では「親戚で集まりたいけれど、大勢が集まれる広いスペースがないのでレンタルスペースを借りたい」という申し込みもあったのだとか。
また、月に1回「ワンコインイベント※2」を企画し、同時に住まいに関する相談会や勉強会も開催しています。レンタルスペース、ワンコインイベントともに、新築やリフォームなどの話だけではなく、「遊びに来てもらいたい」という思いが詰まっています。「春と秋には駐車場も含めて一日マルシェも実施します。多くの方に、『一関にこんな会社があるんだ』ということを知ってもらえると嬉しい」と千葉さん。次のステップは「大工の若手継承者を育成すること」と、挑戦は続きます。
※2 参加費500円、定員10名
断熱材断面模型の説明をする代表取締役の千葉正樹さん。
14.5帖のレンタルスペース。
同社新事務所の外観。広い駐車場も利用可能。
DATA
株式会社 奈々ホーム
〒021-0001
一関市新町3-15
TEL 0191-78-2875
FAX 0191-78-0676