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(idea 平成27年8月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆代表取締役:三浦 卓 さん
◆連絡先:〒021-0901 一関市真柴字中田87
◆電 話:0191—23-2044
◆FAX:0191-21-2887
一ノ関駅前の十字路から、真柴方面に続く国道284号線を2kmほど走り、県交通一関営業所を少し過ぎた道路沿いに森燃本社があります。一関市を中心にプロパンガスの販売、それに係る機器の販売や修理、上下水道や浄化槽設備の工事等、水・ガスのプロとして活躍する同社ですが、創立は66年前の1949年(昭和24年)、まだプロパンガスが日本に普及する前でした。
当時、一般家庭の主要燃料だった炭と薪の販売を目的に、大手町に「森燃料」を創立。高度経済成長期に突入して間もない1955年(昭和30 年)からプロパンガスの販売を始め、毎日夜明け前から三輪の軽トラックで仙台に向かい、ガスを仕入れては各家庭に配達。プロパンガスの普及に伴い需要が高まる中、事業を建設業まで広げ、1984年(昭和59年)には社名を「株式会社 森燃」に改称、都市計画により事務所を現在の真柴に移しました。
「昔は道路が舗装されておらず、車のスピードも出ませんでしたから、毎晩の仙台までの往復は相当な時間がかかったでしょう」。そう話すのは、取締役営業本部長の三浦大さん。「私の祖父であり、森燃の創立者である森次男会長は、次に流行るものの見極めが得意な人でした」と続けます。
「プロパンガス関連の事業から、建設業への事業拡大も祖父の発案です。急速な経済成長と共に、家、水道、ガス等の生活基盤を整え、地域の皆さんに不自由ない生活を提供したかったのでしょう」。次に何が求められるかを常に考えてきた森会長の熱意は、今も職員に受け継がれています。
同社では、6年前から年末に「チャリティ灯油販売」を実施。灯油1缶を500円+善意で販売し、収益金は全てラジオ・チャリティ・ミュージックソン(※目の不自由な方が安心してまちを歩けるよう、「音の出る信号機」を設置するチャリティ活動。
)へ寄付しています。破格の値段で灯油が買えると口コミで噂が広がり、今では販売開始2時間前からお客様が並ぶそうです。「『今年も買いに来たよ』と言うお客様の笑顔を見ると、思わず嬉しくなりますね」と三浦さん。
また、3.11の震災時は全てのお客様の家・お店を5日間かけて巡回。自然環境を考え、社用車の半分は排気ガスがクリーンなLPG車を採用していたため、燃料は十分にあったそうです。問題が起きても電話が使えず困っているお客さんがいないかという思いで車を走らせ、中でも独居(一人暮らし)高齢者世帯には手作りのおにぎりを渡し元気づけました。大きな災害が起きれば、修理の問い合わせが殺到するため、災害時における職員の行動規定は徹底しているとのこと。
ガスや水道のメーターを見れば、使用量により「家族が増えたのかな」といった変化に気づきやすく、自然と地域の見守り活動にもなっています。「今は、毎日お料理でき、お風呂・水道が使えるのが当たり前の世の中なので、突然それができなくなれば大変なストレスを感じます。お客様の『困った』に迅速に対応し、高い満足度を感じてもらえるよう努めたい」と意気込みを語ってくださいました。