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平成25年12月設立。農業部門の拠点を室根町に置き、ピーマン生産事業とビニールハウス事業の二本柱で運営しています。代表取締役の小野寺隆好さんは現在33歳。高校卒業後、関西の電気工事会社に就職し、主にディズニーランドの電気工事を担当していましたが、様々な人との出会いから「自分は将来どんなことをしたいのか?」と模索する中で「新しい農業経営の形」に着目しました。社名には、立ち上げに関わった3人(現役員)の頭文字を用いています。
「農業の経験がなく、知識も技術もゼロからスタートした」という同社ですが、地域の方々に助けられながら目指すべき地域農業のイメージが確立し、若い力でその規模を着実に広げています。
(idea 2019年10月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
「農業に関してはまだまだ技術経験が不足していますが、目指すは『ピーマン農地100a』です」こう力強く語るのは、株式会社TKT代表取締役の小野寺隆好さんです。平成28年から始めたピーマン生産事業は、自宅前の農地6aからスタートし、現在は23a、次年度からはピーマンでは市内最大となる70aと作付面積を着実に拡大しています。
同社は千葉県浦安市で起業、平成25年から平成28年までは主に金融・不動産の運用を行い、その中で様々な手続きや経理等を学んだとのことですが、「いずれ地元に戻り農業をしたい」という強い希望から、もともと部門の一つに農業運営も計画していたと言う小野寺さん。農業経験がない中、比較的若者の取り組みが少なかったピーマン(当時は生産者の平均年齢が65歳以上で、若者の生産者は市内で2人程度だった)に着目。「ピーマンは他の作物と比べて比較的軽量であることから『収穫後の移動がスムーズ』というメリットと『作業に手数が必要』というデメリットが逆に、『雇用を生み出せる農業の新しい形』になるのではとひらめいた」と当時を振り返ります。
現在、母体農地(室根・藤沢に2か所)で就労している16名(パート従業員含め)の他、拠点生産農家(農地や農薬等すべての資材投資は同社が、農地提供と収穫のみを農家が行い、収穫したピーマンは規格外も含め全て買い取りするという仕組み)4軒の契約があり、今後は後者を増やし農地拡大を図っていく方針です。また、収穫したピーマンは母体農場に設置されている選果機で選別され、規格品はJAへ、規格外品は宮城県のスーパー2社50店舗に全量買い取りの契約を結んでいます。
こうした仕組みの構築は、後継者不足に悩む農家や、農業に取り組みたいと考えている若者などの支援にもつながっています。
「高齢になりハウスの修繕ができなくなった」「後継者がいないのでハウスを解体したいが費用がかかる」というような農家の課題から生まれたのがビニールハウス事業です。電気工事の経験(金属管を扱う技術)を活かし、古くなったビニールハウスや遊休ビニールハウスなどを買い取り、それらを必要としている農家の農地に施工・修繕を行います。
「必要としている新規就農者は多いです。新しく買うと初期投資がかなりかかるので、コストが抑えられるという点で、市内に限らず県内、宮城からも問い合わせが多くなっています」と語る小野寺さん。「同じ農業に関わるものとして、今後も農家さんの悩みに応えられるような事業を展開していきたい」と続けます。
今後の目標は「自社を農業研修受け入れ法人にする」こと。現在は農業農村指導士※を目指し、日々新しい農業運営の形と向き合っています。
※5年間農業に従事し、地域農業の発展と農村地域活性化に意欲的に取り組んでいる優れた農業者を、岩手県農業農村指導士として岩手県知事が認定するもの
代表取締役の小野寺隆好さん。
母体農場(室根町矢越)に設置されているハウスも、不要になった農家から買い取ったもの。農地1.5aで15棟設置。
収穫した後の選果作業は最も重要な作業です。
DATA
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