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農業の機械化が進み始めた昭和51年、現代表取締役社長の父(現会長)が「農家の皆様に寄り添い、地域に貢献したい」という想いから「有限会社藤沢農機商会」として創業。昭和62年に「株式会社フジテック岩手」に改称すると、農業に関連したあらゆる需要に応じるように、平成3年に水道事業部、平成8年には土木事業部を設置。平成23年から土木本管工事等の事業と自動車関連の事業を強化し、その一環として届出済未使用者の専門店「エコカーパーク川崎店(平成27年)」「エコカーパーク一関インター店(令和元年)」をオープン。藤沢町藤沢の本社も合わせ、市内3か所で各種事業を展開中。
(idea 2022年5月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
「質の高い様々なサービスを地域のお客様に提供し、感動を与える」をモットーに、長年のノウハウを活かした農業資機材・各種機械販売メンテナンス(アグリ事業部)のほか、自動車販売・点検整備検査(自動車事業部)、給排水設備・宅内配管(水道設備事業部)、環境保全の為の各種工事・一般土木建設業(土木本管事業部)などを中心に展開する株式会社フジテック岩手。「なぜこの部品を交換するか」「どのような施工をしたか」を丁寧に説明し、顧客への明朗明解な対応を心がけています。
顧客満足度の向上を図るため、市内全3店舗の口コミ・評価を分析し、リピート率(また来たくなる)、紹介率(他の人にオススメしたくなる)をチェックするなど、地道な取り組みも忘れません。
自動車関連事業を軌道に乗せた現代表取締役社長の千葉昌嗣さんは「事業拡大を目指し、本来の農機具の販売整備にこだわらず、市内の方々が何を求めているのかというニーズ把握を行いました。その中で、岩手県では1世帯あたりの自家用車保有率が3台を超え、ほぼ1人1台持っているという現状に着目し、市内における『ここが一番』という自動車整備工場・販売店を目指そうと決めました」と振り返ります。
千葉さんが帰郷した平成23年、同社の主力だった農機具の販売・整備事業は、農業人口の減少と共に需要が減少していました。当時の社員は18名で平均年齢は53歳。離職率も高い現状を受け、社員アンケートを実施すると、社員も今後の経営に不安を抱いていることが判明します。
主力事業の転換を決意した千葉さんは、東日本大震災の影響で需要が伸びていた「土木本管事業」と、生活に不可欠な「自動車事業」の強化を実施。農機具の販売・整備でお付き合いしていた顧客に自動車を勧めたところ、それが好評となり新規顧客獲得にもつながりました。
また、若い人材を育成するため、給与の仕組みを「見える化」。社員の評価をポイント化し、給与に反映するなど、社員のモチベーションアップを図りました。加えて、年2回は面談を設け、社員の悩みにも向き合います。
社内改革に着手して約10年、新店舗開設もあり、社員数は91人に増え、平均年齢は36歳、離職率も大幅に減少するなど、大きく状況が変化。社員からも「同世代の先輩も多いので相談しやすい。地域の方と関わりながら仕事ができるのもやりがいを感じる」という嬉しい声が。さらなる人材育成のため、専門技術習得のバックアップにも力を入れます。
地域の小学生に地元観光地の招待券を贈るなど、地域貢献も行う同社。「子どもたちから『大きくなったらフジテック岩手に入りたい』と憧れられること」「令和20年までに県内3番目の上場企業を目指す」という目標を掲げながら、農家や地域のニーズに寄り添い続けます。
昭和59年から多様な農機具の販売・整備で地域農家を支えてきた本社外観。
代表取締役社長の千葉昌嗣さん。
来客時は真っ先に駐車場で出迎え、帰りも最後までお見送り。