※お願い※

記事内の写真や資料は、当情報誌での使用について許可をいただいて掲載しております。

無断での転載などの二次利用はご遠慮ください。

（idea 平成27年11月号掲載）※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

◆場　長：菊池　公一 さん

◆連絡先：〒029-0711 一関市大東町大原当摩1-87

◆電　話：0191-77-2031

◆FAX：0191-77-2339

◆ホームページ：http://www.frieden.jp

　昭和35年、農業兼養豚を営んでいた個人事業主5名が、神奈川県平塚市に（株）フリーデンの前身となる曽我の屋養豚（株）を設立。日本初の一貫養豚経営に着手した同社は、高度成長期と重なり養豚業に必要な農場の確保が難しくなり、昭和45年頃から環境の良い県外、特に東北地域での農場確保に乗り出しました。

　一関市大東町大原地区に、東京ドーム23個分の面積を誇る大東農場が建設されたのは、昭和52年。当時の大東町長が企業誘致に積極的であったことや、自然環境に恵まれていることなどから、同町内に養豚農場を開設。　

その後、社名変更や一関市内の種豚センター等新設があり、現在は東北と北関東に10カ所の種豚牧場および肥育牧場を展開し、年間27万頭の供給体制を確立しました。現在、大東農場では飼育施設38棟、養豚2万3千頭の飼育を行っています。

　平成16年、地域循環型農業推進のため国内でもいち早くそのプロジェクトを立ち上げた同社。「平成14年頃だったかな。当時の町長が、地域の後継者不足による農業の衰退や耕作放棄が目立ち始め『なんとか、地域の休耕田を活用できる案はないだろうか？農業に活気を取り戻せないだろうか？』と相談されたのは」と当時を振り返るのは、同社大東農場の場長である菊池公一さんです。

　“やまと豚米らぶ”というブランドは、大東町内中山間地の休耕田を利用して町内契約農家が飼料米を栽培し、その飼料米で育てた食用豚。飼料米をつくる工程で使用される堆肥は農場から出る排泄物を原料にし、契約農家には無料で提供しています。

地域課題の提案を企業が課題解決のために立ち上げたプロジェクトは、産・官・学協同で研究を進め、地域循環型農業として確立し、町内26組合（１組合5～10名）が生産契約を結びました。平成24年には、このことが休耕田の荒廃を防ぎ農地再生と地域の活性化、そして次世代の担い手づくりへ貢献しているとして、農林水産祭にて天皇杯を受賞。さらに、平成27年iТＱｉ（国際味覚審査機構/本部・ベルギー）の審査会で優秀味覚賞「三ツ星」を獲得しました。

　同社のパンフレットを拝見すると、“やまと豚米らぶ”の紹介では、大東町の風景や田植えから稲刈りの様子などの写真が掲載されており、全国、世界の消費者に地域情報も発信しています。

　一関市民憲章推進協議会が主催する花いっぱいコンクール。同社では、大東地域と東山地域に堆肥の無料配布を行っています。「生き物を扱う職場ですから、排泄物は必ず出ます。それをどう有効的に取り扱うか。私どもは、近隣町村に提案してきました。町内産の飼料米を食べて育っているので、肥料にしても良質。実際使用いただいている地域から『花の育ちがいい』と好評を頂いています」と語り、「東山地域の農業祭では野菜栽培用の肥料として格安販売しており、こちらも人気」とのこと。売り上げの半分は「地域イベントに役立ててほしい」と、寄付をしています。

　最後に、「今後も地域のイベント出店や肥料の提供など企業として地域に携わって行きたいと思う」と今後の抱負を語っていただきました。