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一関市花泉町油島に本社を置く株式会社ヨシムラは、一関市内や宮城県内などの産業廃棄物収集を中心に、資源リサイクル、自動車リサイクル、の事業を展開し、産業廃棄物の中間処理業を通して、豊かな地球環境を創り出す循環型経済社会の推進に努めています。
昭和38年5月、現代表取締役の吉村黄吉さんの父が宮城県栗原郡若柳町(当時)で個人廃品回収業として吉村商店を創業。昭和60年5月には、有限会社吉村黄吉さんが代表取締役となり有限会社吉村商店として法人化。さらなる各種産業廃棄物処理機械の導入を経て、平成18年5月からは株式会社へと移行し、リサイクル製品における優れた品質の維持とともに、資源の命をつないでいます。
(idea 2020年3月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
「産業廃棄物収集・処理という言葉からどんな仕事のイメージを持ちますか」現代表取締役の吉村社長は開口一番に問いかけ、「一昔前は、『ゴミを取り扱う=汚い』というイメージが強く、毛嫌いされていたことも事実です」と続けます。そんな吉村社長は、先代社長である父親の急逝がきっかけでこの道に。当時まだ高校3年生で、目標や将来の夢もあったのだとか。「それまで、父が立ち上げた生業を手伝うこともなく、どちらかというと『嫌だな』とさえ思っていました。親族会議の中で『これからの時代に必要不可欠で大切な仕事になるはず。ぜひ引き継いでもらいたい』という声や、年の離れた兄弟を育て家計を支えなくてはならないという思いから、夢を諦め家業を継いだのです」と、当時を振り返ります。
同社が取り扱う産業廃棄物(※1)は、電線スクラップ、非鉄スクラップ、製鋼原料(※2)、古紙、プラスチックで、東北でもいち早くナゲットプラント(電線処理設備)やチョッパー(電線選別前処理機)など電線屑をナゲット銅に加工するための機械を導入し、愛知県や関東などに営業所を置くことで広範囲で情報交換をしながら、循環型経済社会の発展に努めてきました。
個人商店から始まり、現在では約200人を雇用する株式会社へと発展した同社。若くして家業を継ぎ、苦労もあった中で、海外輸出などの成長を遂げてきたのも「たくさんの人との出会いがあったから」と周囲への感謝を忘れません。
※1 産業廃棄物収集運搬の許可と産業廃棄物処理業(中間処理)の許可を受けている。
※2 ビルや工場、住宅の解体などで発生する鉄屑。
同社では、市内企業の産業廃棄物収集のほか、花泉町内の各種団体(自治会、子供会、婦人会等)で回収している、廃品リサイクル回収の受け入れ先として地域に協力。また、年2回のクリーンキャンペーン(沿道のゴミ拾いなど)を実施し、地域の環境美化にも努めています。
「私は生まれも育ちも隣県の若柳町。そんな私やこの業務にご理解をいただいたことに感謝しております」と吉村社長は語り、「社会に貢献する人材育成も企業の役目の一つと思い、一関市や栗原市が開催している異業種情報交換会などにも従業員の参加を積極的に呼びかけております。私は、多くの人と出会い学んだことをチャンスとして生業に活かしてきました。ぜひ、従業員にもこの思いを引き継いでもらいたいものですね」と続けます。
平成30年12月「地域未来牽引企業(※3)」に選定された同社。「今後も社員の地元採用に積極的に取り組みリサイクル社会の確立と雇用拡大をグローバルに展開していきたい」と今後の抱負を語ってくださいました。
※3 地域経済への影響力が大きく、地域経済のバリューチェーンの中心的な担い手(担い手候補)である企業を経済産業省が選定(現在全国に3691社)。
代表取締役社長の吉村黄吉さん(左)と、総務人事課主任 和田純一さん(右)
海外の最新設備を導入した新設の工場
株式会社ヨシムラ本社
DATA
〒029-3207
一関市花泉町油島字花欠23-3
TEL 0191-82-3710
FAX 0191-82-4951