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昭和53年、菓子卸・販売業として開業。開業当初は現代表取締役会長の菅原勝郎さんが自宅で個人事業「菅原食品販売」として県内外を営業で飛び回り、和洋菓子の買い付け・地元商店への販売を行っていました。平成8年に花泉町内に社屋を新設し「有限会社 菅原食品販売」として法人化。山形や宮城、秋田県に営業所を開設するなど事業を拡大します。令和元年に株式会社へ移行させると、息子の純一さんが代表取締役社長に就任。一関市内唯一の和洋菓子卸売専門業であり、「味のかけはし」をモットーに、全国各地の和洋菓子を市内に、市内の和洋菓子を東北各地に届けています。
(idea 2020年12月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
「一昔前はスーパーなどなく、地域の小さな商店では駄菓子やせんべいなどは売っているものの、和洋菓子はなかなか手に入らなくてね。地元を一歩出るとその地域ならではの和洋菓子がたくさんある。そういった商品を地元で気軽に購入できる環境をつくれないだろうかという考えから和洋菓子の問屋を始めた」と開業のきっかけを語るのは同社代表取締役会長の菅原勝郎さんです。
中学生時代は地元豆腐店から商品を仕入れては自転車で個人宅を回って売り歩き、中学卒業後は静岡県の定時制高校に通いながら、溶接や運送など様々な職を経験します。「ある程度経験してみて『地元に戻って商売をしよう』と考えた。故郷を思い浮かべ、儲けのある商売というよりも地元の物流。特に地元の商店ではなかなか買えないものの販路をつくり地域の潤いの一役になればという思いだった」と振り返ります。
開業当初は、栗原市や旧一関市内の和洋菓子を地元商店に置いてもらうべく1日に約15店舗を営業で回る日々。その後は旧東磐井郡内の商店も開拓し、「○○県の有名な和洋菓子を地元の商店で購入することができる物流」を築いてきました。
平成に入ると、主となる取引先が地元商店から大手スーパーマーケットに。一気に和洋菓子の受注が多くなり、東北内に4か所営業所を設けます。そんな中、営業先からかけられた「自社商品を作れるようになったら営業に来い」という言葉に「ハッと我に返った」という勝郎さん。「物流を築くことには成功し、地元に居ながら地域外の商品を手に取ることができるようになった。でも地元ならではの和洋菓子は?と考えたときに、『地域の潤いの一役』として、次のステージに向かうべきだなと決心した」と続けます。
これまで営業活動に徹していたため、和洋菓子の製造経験はなかった勝郎さんですが、和菓子職人の経験を持つ方と偶然の出会いを果たします。この出会いを機に同社の商品製造工場として「株式会社花泉堂」(※1)を立ち上げ、ともに商品開発を行うことに。現在では和菓子を中心に約20種類(商品としては300種以上)の商品を菅原食品販売と連携して製造・販売しています。
令和元年、代表取締役社長に息子の純一さんが就任。「卸販売については息子に任せている」としつつも、商品パッケージの案や商品のネーミング案は勝郎さんの出番なのだとか。「社長や従業員にはよくダメ出しをされる」そうですが「息子が継いでくれて嬉しい」と笑顔を見せます。
現在は「地元ならではの素材」を追求し、「地元企業と商品開発を行っているところ」という同社。「これまで以上に地域と向き合い、『味のかけはし』を繋げていく」と力強く語ってくださいました。
※1 現「菅原製菓株式会社」。平成13年設立、平成16年に社名変更。代表取締役社長は菅原勝郎氏。
「小さい時から配送トラックに乗せられて営業先を回って育ってきた」という現代表の純一さん(左)と父であり現会長の勝郎さん(右)
有限会社時代のままの本社外観
「菅原製菓株式会社」の商品も市内外へ流通させています
DATA
〒029-3101
一関市花泉町花泉字上ノ沢198-1
TEL 0191-82-3981
FAX 0191-82-5337