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(idea 平成28年5月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆代 表:佐藤 正弘さん
◆連絡先:〒029-3207 一関市花泉町涌津字境 11-3
◆電 話:0191-82-3372
◆FAX:0191-82-3372
◆営業時間:9:30~18:00 日曜定休
古代米を活用し、「生産(1次)加工(2次)そして販売(3次)までをこなす農業の6次産業化」をモットーに健康食材の発信、創作交流の場、地産地消の場として運営している産直施設「古代米おりざ」。
ログハウスをイメージする店内には古代稲の標本やそれを利用した加工品などが飾られ、温かみのある雰囲気に包まれていました。店内では、地元で栽培している古代米や野菜を使った惣菜や汁物、お弁当や菓子などが販売されており、購入した商品は店内の食事処でゆっくりといただくことができるシステムになっています。
古代米おりざが取り扱う古代稲などの加工品は約70種類で、玄米のほか稲穂や稲わらは生け花や正月用のしめ飾り民芸品に加工され、展示販売されています。「お年寄りの生きがいづくりに少しでも役立ててもらえれば」と古代稲のわら細工加工は地元の高齢者の手仕事として依頼することもあり、「わら細工加工の伝承活動には今後も力を入れていこうと思います」と続けるのは産直施設の代表であり花泉古代稲生産組合事務局も務める佐藤正弘さんです。
代表の佐藤さんは、旧花泉町職員として35年間務めた後、「農業の6次産業化」を目指して転職。「現職時代、農家の現状を目の当たりにし、様々な葛藤をいだく中で、『農業の改革をしていきたい』と思い行動に移しました」と当時を振り返る佐藤さん。その頃、グリーン・ツーリズムに対する関心も高まり、農業体験や情報の発信と交流の拠点施設を地元につくろうと思い、平成14年4月に産直施設「古代米おりざ」をオープンしました。
現在、産直施設の運営に関わるメンバーは佐藤代表を含む3名ですが、古代米生産機能を組織化し(花泉古代稲生産組合)そこで生産した古代米や新鮮な野菜などを施設で加工販売するというシステムの導入で地産地消の環境を整えています。また、地元の方々の加工品や手芸品の展示及び販売も行っており、地域内外を問わず多様な方々の交流の場ともなっています。
同施設の店舗裏に実習田があると聞き、お話を伺ったところ「一昨年までは地元の小学生を対象に、店舗裏の水田で農作業体験学習(田植など)の指導を行っていましたが、そろそろ指導者の世代交代も必要と考え、後継者として要請、現在は各地区単位でその地域の方々が学校に出向き、引き続き農作業体験学習指導を行っています」と語る佐藤さん。「生活を営み続けるためには食農は不可欠ですから、特にも主食である米づくり、水田は地域の宝。小さいうちから体験させ、当たり前に食べているお米がどういう過程からでき上がり、農家はどのような気持ちで米を育てているか肌で感じ学ぶという体験は、今後も続けていきたいことですね」と語ります。
さらに、町内の知的障がい者授産施設との交流も長く、同施設で生産された農作物等の販売協力を行うほか、花泉古代稲生産組合としても季節行事への参加交流を継続しています。最後に佐藤さんは「今後も地域の方々が食と農に親しみながら店舗を交流の場として利用していただき地域の活性につなげたい」と締めくくりました。