毎月さまざまなテーマで地域づくりについて考えていくコラムです。

博識杜のフクロウ博士ロゴ

※お願い※

記事内の写真や資料は、当情報誌での使用について許可をいただいて掲載しております。

無断での転載などの二次利用はご遠慮ください。

第71話(idea 2025年2月号掲載)

今月のテーマ

地域運営の落とし穴(55)

地域コミュニティは、消滅する?

地域の未来はどうなる?

 「消滅可能性都市」という衝撃的なニュースが出たのが、2014年(平成26年)のこと。この言葉は各地で波紋を呼び、市民レベルでの危機意識が高まったきっかけでもありましたが、良い結果をもたらしプラスに働いたばかりではなく、‘あきらめ感が出た’というマイナスの事実もあります。

 

 「消滅可能性都市」とは、各自治体の20~39歳の女性人口が、2010年(平成22年)から2040年(令和22年)までの30年間で50%以下に減少する自治体のことを指し、全国で896自治体が該当するとされ、その中に一関市も含まれています。ニュースから10年が経過し、2024年の発表では、744自治体が該当しているとのこと。いくらか改善しているようですが、一関市は10年前と変わらず、「消滅可能性都市」のままです。

 

 とは言え、ニュースというものは賞味期限が限られており、普段の何気ない会話からは消えてしまいましたが、一度覚えた情報はなかなか消えないものでもあり……。ある地域で子育て世代と雑談をしていたとき、「あと30年したらこの地域は消滅する」という一声が出てきました。私たちの地域は、本当に消滅するのでしょうか?不安な気持ちもあり、疑う気持ちもあり、でも、実際に周囲を見渡してみると……。答えは誰にもわかりません。

 

 人の動きもあることなので、地域から人っ子一人いなくなるということは考えにくいものですが、テレビ番組「ポツンと○○」で紹介されるような、‘近所の人が存在しない家’が増えることも予想されます。そうすると、誰が、どうやって、その地域を支えていくのでしょうか?行政サービスにも、住民の支えあいにも限界があり、そうなるといよいよ「コンパクト化※1」が推進される可能性もあります。しかし、居住地域をコンパクト化※1することは、本当に可能なのでしょうか?これも、答えはわかりませんね。

 

※1 経済協力開発機構(OECD)が2012年に発行した報告書『コンパクトシティ政策:世界5都市のケーススタディと国別比較』では、コンパクトシティの特徴を「高密度で近接した開発形態、公共交通機関でつながった市街地、地域のサービスや職場までの移動しやすさ」としており、このコンパクトな都市計画は「環境を守り、地域の経済成長を促進し、より良い質の生活を提供する」と述べている。

‘暮らしの変化’と向き合う地域づくり

総務省統計局「国勢調査」「人口統計」より 日本の総人口推移グラフ

 総務省統計局が発表した「統計が語る平成のあゆみ」によると、これまで増減を繰り返してきた日本の総人口は、2008年(平成20年)に1億2808万人のピークを迎え、2011年(平成23年)以降は減少し続けています。これはあくまで統計上で、都市に人が集中する時代から地方の人口減少は始まっており、私たちが肌感覚として人口減少を感じ始めたのは、それよりも前のことでしょう。

 

 バブル崩壊後の1991年(平成3年)から2005年(平成17年)は就職氷河期となり、地方では就職先も限られたため、Uターン就職の人などが少なくなりました。私も氷河期世代でUターン就職を希望していましたが、「就職先が無いから戻ってくるな」と言われた経験がありますし、同じ境遇の同級生たちも多かったのを記憶しています。

 

 当時は、‘生きていくために仕事に就くこと’を優先せざるを得ない状況で、それが人口減少の原因だとは言い切れませんが、少なからず要因にはなっているでしょう。社会情勢との因果関係は深いものですが、悲観的になっている場合ではありませんね。超高齢化時代のいま、そして、人口減少が進んでいく近い未来に対して、‘日々の暮らしが変化していく事実’に向き合わなければいけません。

 

 AI(人口知能)などの新しいテクノロジーが次々と台頭しており、このまま20年が経過したら、全く違う社会ができあがっている可能性が高いです。「墓じまい※2」が当たり前になりつつあったり、本家分家などの風習や地域文化が薄れ始めたりしている現状を考えると……未来ではもっと希薄になっていくかもしれませんね。「我が家も自分の代で一区切りになるんじゃないか」と思うと、なんだか切なくなる未来です。

 

 しかし、人がいる限りその精神や気持ちだけは継承され続けてほしいものです。どんな状況であれ、人が住んでいれば、地域づくり活動は欠かせないので、頑張っていきましょう!

 

※2 墓石を撤去して墓所を更地にし、その使用権を墓地の管理者に返還すること。

訪問者数(累計)

アクセスカウンター

ひとまちミーティングロゴ画像

開館時間

9時~18時

休館日

祝祭日
年末年始(12月29日から翌年1月3日まで)

いちのせき市民活動センター

〒021-0881 
岩手県一関市大町4-29 なのはなプラザ4F
TEL:0191-26-6400
FAX:0191-26-6415
Email:center-i@tempo.ocn.ne.jp

せんまやサテライト

〒029-0803
岩手県一関市千厩町千厩字町149
TEL:0191-48-3735
FAX:0191-48-3736

X(旧:Twitter)公式アカウント

Facebook公式アカウント

LINE公式アカウント

駐車場のご案内

なのはなプラザ4Fのいちのせき市民活動センターをご利用されるお客様は、以下の有料駐車場に車を停めた場合、最大3時間まで料金が無料になります。

当センターご利用の際に、駐車場無料券を発行しますので、詳しくは窓口までお問合せください。

 

  1. 一ノ関駅西口北
  2. 一ノ関駅西口南
  3. 地主町駐車場
  4. タイムズ一関大町なの花パーキング
  5. マルシメ駐車場
  6. すがけい駐車場
  7. 大町ニコニコパーキング