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視察研修の様子(令和6年)
(idea 2025年1月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
平成16年、千厩商工会(以下「商工会」)会員を中心に活動を開始。発足当初の会員数は13名で、現在は6名。千厩町全体を盛り上げるため、地域の各種団体と協力して活動中。
住所:一関市千厩町千厩町浦9-13
TEL:0191-53-2735 (一関商工会議所千厩支所 事務局 菅原)
商店街などで各々の店舗がオススメする商品やサービスを積極的に展開し、商店街から地域を盛り上げる「一店逸品運動」が全国的に普及し、それを千厩町でも始めるため、当時の商工会会員を中心に発足したのが「せんまや逸品の会」です。
「地域の中での『女性』は、どちらかと言えば表舞台に出ることが少なく、裏方に徹することが多い『縁の下の力持ち』でした」と昔を懐かしむのは、初代会長の熊谷充子さん。「最初、会に賛同してくれたのは21店舗でした。活動を始めた頃は店舗それぞれが自分たちの力で『町を盛り上げよう!』と意気込み、商品やサービスの展開を頑張っていたんです」と続けます。
しかし、年々参加店舗が増えていく一方で、各店舗の商品やサービス等が掲載されたカタログを作成するだけでは集客も弱く、商店街の盛り上がりにつなげることが難しいと感じた同会。現状を変えるため、「一店逸品運動」を実施して店舗毎の特色づくりや空き店舗を活用した交流拠点をつくる宮城県大崎市鳴子温泉などを視察研修し、自分たちの活動と照らし合わせて課題を見つけていきました。
研修で学んだことを活かすため動きだした同会は、これまで取り組んでいた「自分の店舗の逸品を紹介すること」に加え、「春夏秋冬どの季節でも、商店街が活気づいて見えるようにするには、どう工夫していけば良いか?」と検討を重ねました。熊谷さんは、「実際に商店街を歩きながらお店を覗いてみると商品がどんな風に見えるのか確認したり、お店の様子が外からでも見えるようにしたり、各店舗で工夫していったんです」と振り返ります。
同会も後援する「せんまやひなまつり」は、平成20年に商工会女性部が主催となって開催したのが始まりで、地域の家庭や公共施設で大事に保管されてきた段飾りを、千厩酒のくら交流施設に持ち寄って飾りつけ、お祝いするお祭りです。現在では、千厩ひなまつり実行委員会が主催となり、商店街なども会場となるため、町全体が彩られる一大イベントとなっています。
季節ごとにテーマを設けて店舗のウィンドウを飾り、一体感のある商店街づくりを展開してきた同会でも、「せんまやひなまつり」を一緒に盛り上げるために動き出し、空き店舗を会場とした「つるし飾り物語」を企画。華やかで唯一無二の魅力があるひな飾り(=つるし雛)は全てが手作りで、毎年大勢の来場者が楽しみにしています。
「ひな飾りで町が一丸となって盛り上がっていたときにコロナ禍となり、みんなで集まって何かをすることが難しくなりました。また、高齢化もあり、団体として一緒に活動することが難しく、会を脱退する店舗もありました」と振り返るのは、現会長の伊藤京子さん。
「空き店舗を活用した会場づくりは、コロナ禍や会員数が少なくなったことで出来なくなったため、同企画の開催期間中に、各店舗でひな飾りを展示する形に切り替えました。個々の店舗の逸品ではなく、ひなまつりを通して『町の逸品』を作ることが出来たんです。会を脱退した人たちも、個人的に店舗にひな飾りをつけてくれて、一緒に商店街を盛り上げたいという気持ちを感じました。それがすごく嬉しかったです」と、笑顔で続けます。
同会は、「つるし飾り体験教室」や「スタンプラリーお楽しみ会」など、 「つるし飾り物語」の開催期間中などに、店舗の集客へつなげる企画も継続しています。
伊藤さんは、「商店街の賑わい創出に、人と人とのつながりは欠かせない」と考え、店舗の雛かざりを見に訪れた人や企画に参加する人との交流も大切にしており、「来年また来ますね」「次のテーマも楽しみにしています」と声をかけてもらうことが多いそう。「県外から見に来てくれるお客さんもいて、私たちの活動が広がっていることが嬉しい」と、やりがいを感じています。
今後について伊藤さんと熊谷さんに伺うと、「『千厩の町なかといえば国道沿い』と言われてたり、『町裏』なんても呼ばれてるんです。けれど、私たちは『千厩の商店街はこっちだぞ!』という気持ちでこれからも楽しみたいです」と意気込みます。
商店街は閉店する店舗が多くなりましたが、地域の方々と協力し合いながら、継続して千厩町の逸品をアピールしていきます。
いとう きょうこ
伊藤 京子さん
着物の虫干しイベントを企画したことも。みんなで一丸となって、千厩町と商店街を盛り上げるため、「目標を共有すること」を大切にしています。
A.仲間との絆が町の賑わいになるように
くまがい あつこ
熊谷 充子さん
平成22年まで一関商工会議所女性会千厩支部長を務めていました。女性たちのまとめ役としても長年活躍しています。
A.現役でいる事が元気の源です
同会に参加する店舗の女性陣が笑顔で写るカタログ。お店・商品・人がつながって活気づくよう願いが込められています。
コロナ禍前は空き店舗を会場として開催していた「つるし飾り物語」。今年度は第14回目の開催となりました。
手描きで作成された地図には、各商店の位置やランドマークが分かりやすくイラストで表現されています。
毎年違うテーマに沿った手作りの作品を展示しており、「馬」がテーマの年には「大夫黒」だけでなく人参などの飾りも。