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「はずみ会」メンバー(令和6年9月撮影)
(idea 2024年10月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
昭和58年に発足した「食生活改善推進員協議会花泉支部」の花泉地域会員で平成27年に結成(それ以前から地域と連携した活動はあり)。食生活改善推進員としての地域への普及啓発活動と、地域の幅広い食事ニーズへの対応を担っている。
※問い合わせは一関市花泉市民センターへ
TEL:0191-82-4375
「はずみ会の時は青いエプロンで、食改の時はピンクのエプロンなの」と、笑顔でユニフォームの説明をする「はずみ会」会長の菅原惠子さん。「食生活改善推進員(以下、食改)協議会花泉支部」においては、地域選出の理事の立場です。
バランスのとれた食生活の定着を目的として地域での食育・栄養改善活動を行う「食改さん」は、全国規模の組織があり、当市においては、「一関市食生活改善推進員協議会」の下に旧町村毎の支部があります。支部によってはその下に地域組織があり、花泉支部は組織化まではしていませんが、7地域に分かれての活動が中心です。
このうち、花泉支部花泉地域の食改さんを中心に、平成27年7月に結成されたのが「はずみ会」です。組織化することで「より柔軟に公民館(現市民センター)などと連携した活動ができる」、「2枚看板にすることで、食改さん以外の人も会員になれる」という当時の花泉公民館職員の提案で組織化。その目論見通り、「はずみ会」として幅広く地域のニーズに応えながら、食改としての使命もしっかり担い続けています。
令和6年6月、「地域の人からのリクエストで料理教室をする」ということで、見学に伺いました。この日は、「教えて欲しい」という要望があった郷土菓子3種(あけがらす、ゆべし、落雁)をメインにしつつ、食改の「食生活改善普及講習会(通称・伝講活動)」も抱き合わせ、小松菜を活用したおかずなど、計7品を9名の参加者と一緒に調理しました。
食改花泉支部では、「健康のタネをまきましょう事業」と題して毎年テーマ食材(野菜)を設定しており、昨年度が小松菜。テーマ食材は地域毎に種から育て、レシピの勉強・作成を行います。今回調理した小松菜を活用した2つのレシピ(小松菜とかつお節の混ぜご飯、青菜と桜エビのだし酢あえ)も、昨年度学んだレシピとのこと。
「〇〇を作ってみたい、という要望があると、私たちも勉強になるし、食改としての講習会をする機会も与えてもらえるのでありがたい」と菅原さん。参加者からも「レシピを見るだけだとよく分からないけど、実際にやってみると案外簡単。家でもやってみよう」という嬉しい声が聞かれました。
食改としての講習会は各地域年4回程度実施することになっており、集落のサロンにお邪魔したり、児童クラブなどと連携することも。今年度は集落PTA(子ども会育成会)にも声をかけ、幅広く連携・普及の場を持つようにしています。
花泉地域で約30年に渡り行われている「ふれあい給食」にも協力している同会。花泉地区福祉推進協議会による事業で、年に2回、72歳以上の一人暮らし世帯と77歳以上の高齢者のみ世帯を対象に配食を行います。コロナ禍以前は、食改としてレシピの作成等を行い、婦人会や民生委員等と一緒にお弁当を作っていましたが、コロナ禍以降は「はずみ会」がレシピ作成から調理の全てを担い、民生委員や区長等が対象者宅に届けています。
近年はスタッフ分も含め約110食作っており、その準備は容易ではありませんが、「受け取る皆さんの笑顔を思い浮かべながら頑張っています」と、やりがいを感じています。
また、市民センター等が行う子ども向け事業にも長年協力。季節行事などの際に、ケーキやゼリーなどを準備したり、一日を通した事業の際には昼食を調理するなど、保護者の負担軽減にも貢献しています。令和6年7月に一関市花泉市民センターが開催した「夏休み寺子屋」では、カレーとサラダを用意しましたが、多くの子どもたちがおかわりに並び、途中で品切れに!「毎回、どれくらい用意すれば良いか予想がつかないのよ」と、会員の皆さんは嬉しい悲鳴をあげます。
現在、同会会員は8人。昭和60年頃に地域活動が始まって以来、人の入れ替えはありつつ10人程度での活動を続け、20年以上の活動歴になる会員も。食改さんになった経緯は様々ですが、交流や友達づくりが目的だった会員も少なくありません。2枚看板スタイルでの活動を続けることで、顔を合わせる機会は多く、地域のニーズにも柔軟に対応できます。幅広い「食」に関する役を担いながら、地域・家庭の健康づくりにも貢献し続けます。
すがわら けいこ
菅原 惠子さん
平成10年頃に花泉町花泉に引っ越して来た際、従妹に誘われ、友達作りのために食改の養成講座を受講。子ども教室の指導員としても長年活動しています。
A.食べる事の楽しさを次世代に伝えたい
あべ きいこ
阿部 喜伊子さん
平成25年頃、花泉町涌津の知人に誘われて受講。同会ではレシピ作成を担当しているほか、現在は花泉支部の支部長も務めています。
A.バランスのとれた食事を心がけ
楽しくおいしくいただきましょう
普段から馴染みのある食材でも、切り方や味付けなど、お互いに情報交換することで、レシピ以上の学びを得られます。
おかわりをしに来た子どもたちと「何年生になったの?」「大きくなったね~」と会話をするのも楽しみです。
「夏休み寺子屋」に参加した子どもたちの前で紹介を受ける会員たち。この日は25人分の昼食を作りました。
「ふれあい給食」で配食するお弁当。栄養、食べやすさだけでなく、彩りも意識したお弁当は毎回好評です。