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令和5年8月に開催し、約400人が参加したチャリティーツーリングイベントでの集合写真
(idea 2023年10月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
オートバイ愛好者(特にバイクショップ「CHOPPER」の愛好者)を中心に、チャリティーを目的とした2つのイベントを企画運営。核となる約5人のメンバーに加え、オートバイイベントの際には多い時で約70人がスタッフ(無償)として従事。
TEL 090-6622-8028(代表・荒井)
毎年6月、花泉町で約20年に渡り開催されている「演芸会」。股旅舞踊に特化した演芸会から始まり、現在は「花泉大演芸会」として、股旅舞踊の他に日本舞踊・マドロス舞踊・大衆演劇・オペラ・演歌など、様々な「演芸」を一挙に楽しめる機会に発展しました。
「本番までの準備が大変で、やめようかなと思うこともあるが、帰り際に『楽しかった』『来年も頼むよ』と言われると弱くてね」と、苦笑いを見せるのは、同イベントを主催する「アラトプロジェクト」の代表・荒井供実さんです。
荒井さんは叔父が開催してきた股旅舞踊の演芸会を継承し、令和5年が荒井さんとしては5回目の開催。自身は舞踊の世界に縁はありませんが、それを逆手に取り、普段は同じ舞台には立つことのないジャンルの演者たちにオファーし、観客の裾野を広げています。
同会が主催するイベントにはもう一つ「東北ウォンテッドバイカーツーリング(CHOPPER東北)」というオートバイ愛好者向けのイベントが。このイベントは令和5年8月で12回目を数えます。
全く毛色の異なるこの2つのイベントに共通するのが「チャリティー目的」で開催しているということと、スタッフ(メンバー)の多くが「オートバイ愛好者」であるということ。これまでの寄付額は合計300万円にも上ります。
「きっかけは平成20年の岩手・宮城内陸地震。今では同会イベントの要となっている菅原秀一さんの義母が土石流により行方不明となりました。仕事で親交のあった荒井さんは、バイク仲間に声をかけ、再捜索のための義援金を募ります。
「その時の気持ちをお返ししたいと思い、東日本大震災発生を受けて荒井さんが動き出した時から参加しています」と、振り返る菅原さん。震災直後から被災地に物資を届け続けていた荒井さんが、チャリティー目的のツーリングイベントを企画したのは、平成24年5月でした。
「福島県福島市のハーレー屋さんを目的地にツーリングすれば、その周辺や町の潤いに繋がるのでは、と。300人以上に賛同していただき、会場となった果樹園にも喜んでもらえました」と、手応えを感じた荒井さん。
この時は10人の仲間で10万円ずつ出資しての開催でしたが、翌年からは「スタッフ(メンバー)は1円も出さず、身体と時間だけを提供してもらう」と決心。個人・企業などからの協賛金と、参加費含めたライブチケット(後述)を一般販売。必要経費以外(スタッフは弁当のみ)は開催地や被災地の義援金に回す「チャリティーありき」の運営です。
3回目の開催地となった宮城県女川町では、何もなくなってしまった浜を目的地に設定。女川町役場の協力のもと、約500人がツーリングで集結しました。このツーリングは、モーターサイクルチームでロックバンドでもある「COOLS」のリーダー・佐藤秀光氏が先頭となり、目的地には特設のトラックステージにて「COOLS」のライブも開催。オートバイ愛好者だけでなく、地元住民にも活気を与え、何もなくなった浜に多くの人が集う光景に涙を流す人も多かったと言います。
「来て欲しい、という要望がある場所を目的地にしている。当市の花と泉の公園(ぼたん園)でも2回開催しました。回を重ねるごとに共感者やスタッフが増えていっている」と、荒井さんは活動の広がりを実感しています。
「チャリティーありき」の2つのイベントを毎年開催する裏には、オートバイ愛好者たちが「良い年の取り方をするように」という想いがあります。悪印象で見られがちなオートバイ愛好者ですが「だからこそやる」と、荒井さん。「俺たちでもできる、という背中を見せたい。仲間意識は人一倍強く、ネットワークもすごい。佐藤秀光さんのように『やんちゃな良い大人』の背中を見せることで、良い年の取り方ができるように向けてあげる」と続け、そのために、「未来ある子どもたち(18歳以下)は参加費無料」としています。
演芸会では、寄付金を市社会福祉協議会に寄付するだけでなく、近隣福祉施設の利用者を無料招待するという地域貢献も。「補助金を使わないのかとよく言われるが、一度も使ったことがない。我々は自分たちの手でできる範囲のことをするのみ。娯楽の提供がチャリティーにつながる、という仕組みを作っているだけ」と、「良い年の取り方」を体現し続けます。
あらい ともみ
荒井 供実さん
家業は牛乳店。亡き母が股旅舞踊ファンだったこともあり、叔父の演芸会を継承。オートバイの世界では知られた存在で、佐藤秀光氏とは20年以上の付き合い。
A.人と人との繋がり
すがわら しゅういち
菅原 秀一さん
ゴール地点で参加者を受け入れるため、先に現地入りし、現場で指揮をとる重要ポジション。交通整理、駐車誘導、会場設営など、大勢のスタッフをまとめます。
A.出会い
約300人が来場するのは花泉総合福祉センター。椅子の設置など、重労働な事前準備も、メンバーの無償奉仕です。
股旅舞踊の大御所・宮野浅太郎氏はじめ、若手の大衆演劇スターなど、幅広い演者たち。花泉ゆかりの演者も多数出演。
令和5年度のツーリング先は気仙沼。当市のみならず、全国からオートバイ愛好者が集まるため、スタッフも60人体制!
バイクイベントの寄付は目的地及び直近で災害があった自治体へ。令和元年は当市と北海道厚真町へ、各21万5千円を寄付。
誌面ではご紹介できませんでしたが、活動の様子が紹介された動画もご覧ください(^^)/
↓3分20秒頃から