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(idea 平成28年9月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆代 表:菊地哲也さん
◆連絡先:〒029-0302 一関市東山町長坂字羽根堀119-10
◆電 話:0191-47-2369
◆FAX:0191-47-2570
(※いずれも東山タイヤ工業所 代表菊地哲也さん宛)
東山の景勝猊鼻渓の名を冠する戦隊ヒーロー「六魂戦隊ゲイビマン」。前身は長坂保育園の父親有志が、運動会の昼時間にショーをやって盛り上げようということで結成された「のんべぇ戦隊オジレンジャー」です。
運動会といえばひたすら撮影係というのが父親の役割でしたが、「カメラを捨てて記録より記憶に残そう」という発想でした。ショーは評判を呼び、他の保育園などから「うちにも来てほしい」という声がかかるようになり活動機会が広がり始めます。平成20年には名称を「六魂戦隊ゲイビマン」に変え、装いも新たにスタート。今回はそんなゲイビマンについてゲイビマンプロジェクト代表の菊地哲也さんにお話を伺いました。
「『やる側が楽しもう』がゲイビマンのモットー」と語る菊地さん。背景にあるのは自分たちが楽しくないと見ている側も楽しくないという思い。その思いは衣装やシナリオ製作、キャラクター設定にも細かいディテールを作り込むという形として表れています。
例えば、マスクのデザインは6人すべての表情を変えること(白黒になってもマスクだけで誰かをわかるように)で個性を出しており、マスク製作も試行錯誤を重ねながら手作りしました。シナリオは、訪問先やイベント内容に合わせてカスタマイズし、必要に応じてアフレコを準備していくこともあるとか。もちろん音響も自分たちで準備します。
「6人それぞれが異なる魂(ソウル)と特殊技能を持っている」というキャラクター設定も「スーパーコンピューター並みの分析能力を持つブルーが唯一計算できないのは人の心と未来」「ピンクの素顔はミス東
山」「レッドは猊鼻渓で船頭をしていてげいび追分の歌唱力はピカイチ」など、地元を意識しながら硬軟巧みに工夫されていて「素人なりにしっかり作っていきたい」という菊地さんの言葉を裏付けています。
歴代メンバーは約50名で、これまで延べ200回以上のイベントに出演してきたゲイビマンプロジェクトですが、仕事との両立という悩みも抱えています。
もともとは保育園に子どもを通わせている父親たちが中心ということで、それぞれが働き盛りの年齢。特に創設時のメンバーは年齢を重ね仕事上の立場も重く多忙になり、ゲイビマンの依頼に応えられないことも増えています。新たに参加するメンバーもいるものの慢性的な人手不足というのが現状で、ピーク時には2年間で100回を超えた出演も今では年に5、6回程度に。「ゲイビマン1本でいければもっと出来るとも思うがそれぞれ仕事を抱えていてそうもいかない」と語る菊地さんは、よいものをという思いと、人手と時間不足の現実との間で板挟みになっています。
それでも菊地さんは「逆にイベントに行って子どもたちに励まされることも多いし、訪問先で人の繋がりができることもある。ゲイビマンを知ってもらうことで猊鼻渓、東山を知ってもらい、訪れてもらうきっかけになればという思いもある。地域を盛り上げる為にも『一人一人の力はちっぽけだけどみんなの勇気が集まれば何でもできる』というゲイビマンの精神で、自分たちの出来る範囲でやっていきたい」と、前を向きます。その姿はまさに「勇気・愛情・友情・元気・忍耐・正義」の6つの魂(ソウル)で戦う「六魂戦隊ゲイビマン」そのもの。そこにはマスクを脱いだ等身大のヒーローの熱い思いがありました。
市民フェスタにも参加