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ほまれの会のみなさん

（idea 平成28年12月号掲載）※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

◆代　表：菅原満子さん

◆住　所：一関市室根町津谷川字葛ヶ沢145-5

◆電　話：0191-65-2200

◆Facebook：「一般社団法人ほまれの会ペコラビレジ」で検索

　県道18号本吉室根線沿いに立つ「ペコラビレジ」の手作りの看板。看板を辿って行くと、１軒の「家」が現れます。今回取材に伺った「一般社団法人ほまれの会」の事務所であり、ほまれの会が開拓を進めている小さな村的空間「ペコラビレジ」の拠点ともなる障がいを持つ人たちのグループホームです。

　ほまれの会は、気仙沼で長年障がい者支援の仕事をしていた４人が立ち上げた法人。理事の３人は、前職でセンター長や施設長を務めたり、相談支援員としても経験豊富ですが、その経験の中で、家族等からの虐待を受け、居住先を転々とする人たちを目の当たりにしてきました。受け入れ先にも制度や基準があり、「受け入れやすい人はどこにでも行けるが、本当に大変な人こそ行き場がない」という現実があったとか。そうした現状への違和感から、次第に「つなぐだけの支援じゃなく、引受先のない人たちが‘安心して暮らせる場所’を創りたい」という想いが芽生えていきました。

　時を同じくして代表の菅原さんが、縁のあった人から土地と空き家を借り受け、障がいを持つ人たちのためのグループホームの開設を検討していました。ガーデンデザイナーの資格をもつ菅原さんが、その構想を１枚のイメージ図に描き出すと、‘安心して暮らせる場所’を模索していた３人が「これだ！」と確信。平成27年8月、４人で「ペコラビレジ」の開拓へと歩み出したのです。

　今年４月からグループホームとなる空き家のリノベーションをスタートさせましたが、用途変更申請や、それに係る予想外の改修作業等が発生し、開所は難航。

11月１日付でようやくグループホームが開所しました。６～８畳の１人部屋が５部屋ありますが、気仙沼時代に保護していた２名の虐待ケースや、行き場がなく点々としていた人など、開所前から５部屋すべてが埋まっており、需要が多いことは明らか。今後はホームに暮らす人や、東磐井地域からの通所作業所としての就労継続支援Ｂ型事業所の開設を進める他、上記のような需要に応えられるよう、グループホームの２号館設置を目指し、室根まちづくり協議会が設置する「空き家ワーキンググループ」にも参加しています。

　開所にあたり地域で開催した説明会には多くの人が集まり、不安や心配な表情も見受けられた反面、入所者について「住民になってくれるんだべ？」と、この地域の住民になることを歓迎してくれる声もあり「住民の１人として見てくれることが嬉しかった」と菅原さん。これまで自分の居場所がなく点々としてきた人が多いことから「この家で自分の役割を見出せるようにしていきたい。本人が望むなら最期までこの家で暮らすことができるし、自立を望むならそれを応援していく」と、理事のみなさんも抱負を語ります。

　現在懸命に整備を進めている庭・農園部分には、遊歩道等を設け、「地域の人たちがいつでもフラッと来ることができるようにしておきたい。お年寄りたちのお茶のみの場などにも使って欲しい」と、地域住民との交流も積極的に図っていきたいとのこと。イメージ画が現実になる日が今から楽しみです。 

「ペコラビレジ」のはじまりとも言える菅原さん作のイメージ画