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ミーティング時の集合写真(令和6年12月)
(idea 2025年2月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
「『合唱のまち・一関』を後世に残したい」という思いから令和4年5月発足。現在の会員は5名(10代~20代)。一関市内で開催される音楽イベントへの出演・スタッフ協力ほか、SNSを活用した情報発信にも力を入れている。
※お問い合わせは同会が運営しているInstagramアカウント「一関まちづくりの会(itp_20220501)」へ
同会の名称は、一見すると「まちづくりを推進する団体」と想像しますが、取材を通して定かとなったのは「合唱のまち・一関」を主軸とした活動でした。
一関市が「合唱のまち・一関」と呼ばれるようになったのは、昭和49年、年の瀬を歌声で彩る「いちのせき第九演奏会」が開催され、合唱団員を市民に募集したところ300人が参加。その後、市内に多くの合唱団が結成されたことがきっかけだと言われています。
「僕自身、歌うことが好きで、中学と高校は合唱部でした」と話すのは、一関まちづくりの会の事務長を務める千葉龍我さんです。千葉さんは、中学・高校と合唱にのめり込み合唱の楽しさを体感。その経験を忘れることなく、高校卒業後は介護職の傍ら、一関市を拠点に活動している混声合唱団の「一関市民合唱団」にも所属(当時)。「東日本合唱祭※1」をはじめとした大会でハーモニーを奏でていたほか、母校である一関修紅高等学校の音楽部にOBとして関わるなど、千葉さんの人生にとって音楽(合唱)はかけがえのない存在でした。
そんな中で「好きな音楽でまちづくりをしたい。『合唱のまち・一関』を後世に絶やさず残したい」という目標が芽生え、同会発足へと動き出します。「高校のときに同じ部活だった同級生が地元に残っていたので声をかけると、快く賛同してくれた」と当時を振り返り、千葉さんを含めた3人で発足に向けた準備を重ね、令和4年5月に同会が誕生しました。
※1 平成2年8月に行政、市内の合唱団、まちづくり団体などで実行委員会を組織して第1回を開催。東日本各地及び全国で活躍している優れた合唱団が一同に会し、共に歌い、共に鑑賞し、音楽の創造をめざす祭典。令和6年10月に第31回を開催した。
発足当初は、自主イベントの企画や、使われていないピアノを引き取ってストリートピアノを設置するなどの構想を考えていたそうですが、メンバー全員が会社勤めであることや、資金集めと整備に時間を要するなど、思うような活動ができなかったと言います。
そこで、「まずは自分たちの存在を知ってもらい、無理のない活動をしていこう」と考え、既存の音楽イベントへの参加や運営協力などの活動へ移行。
第31回東日本合唱祭では、実行委員会に所属し、プログラム内にある「合同合唱※2」の練習へ参加できない方や開催当日の誘客促進等を目的に、合同練習を撮影して動画共有サービスYouTubeへ配信しました。「YouTubeを活用するのは、練習の様子を共有する意味もありますが、ホール内の声の響きを確認する意味もあります」と、若手ならではの強みでイベントをサポート。さらに、千葉さんが高校生のときから関わっている「時の音FESTIVAL※3」へのステージ出演や縁日での出店など、様々な音楽イベントに参加することで団体をPRしてきました。
一方で、現在の会員全員が西磐井在住ということから、東磐井の情報が入手しづらいという悩みも。自分たちの力で情報収集して「千厩夜市」などに出演できた経験はありますが、すでに申込を締め切っていたり、イベントが終了していたり……新鮮な情報を集めることが難しい点に課題を感じているそう。
千葉さんは、「これからも音楽関係のイベント出演や運営のお手伝いなどを積極的に行い、つながりをつくっていきたい」と今後について語り、「ゆくゆくは広域にメンバーを増やし、一関全体をカバーできればと考えている」と続けます。
※2 招聘団体と一般参加者、約300名による大合唱
※3 一関市の音楽愛好者で組織する「時の音プロジェクト」によるイベント
同会では、SNSを活用し、自分たちが出演するイベントのほか、市内の観光スポットなどの情報発信にも力を入れています。
「一見、合唱をしたいのか、観光スポットをPRしたいのか、活動が定まっていないようにも捉えられますが、『合唱のまち・一関』を残すためには『一関』というまちを残さなければならない。そのために、一関の良いところをたくさんの人に知ってもらおうという思いから情報発信に取り組んでいます。ひとつの楽曲を同じ時間と空間の中で共有することで生まれる不思議な一体感が、合唱の魅力です」と千葉さんは語ります。
生まれたての団体で紆余曲折はありますが、これからも音楽の力を響かせ、「生まれ育った故郷」の「まちづくり」に励み続けます。
よしだ なつ
吉田 捺さん
生まれも育ちも一関。発足当初は事務長を担い、令和6年から会長を務める。十八番は「Let It Go(松たか子ver.)」です。
A.つながり
ちば りゅうが
千葉 龍我さん
生まれも育ちも一関。発足当初は会長を務め、令和6年から事務長として会長をサポート。十八番は「貴方の恋人になりたいのです(阿部真央)」です。
A.必要不可欠!
時の音FESTIVALでは、「スーパーボールすくい」や「くじ引き」を設け、音楽以外でも観客を楽しませました。
東日本合唱祭の練習風景をYouTubeに配信する大役を任せられ、緊張しつつも喜びのほうが大きかったとか。
合唱だけでなく、イベントによってはソロで歌うJ-POPやアニメソングなど、レパートリーは多岐にわたります。
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