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どっから座の皆さん
idea 平成28年3月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆座長:小野寺 一夫さん
◆連絡先:〒029-0802 一関市千厩町小梨字舘前15
◆電話:0191—52-4794
今年3月に第13回公演を控える千厩地域市民劇場「どっから座」。千厩地域に伝わる昔話や言い伝えを題材にした演劇を続けて今年で16年になります。今回は、今年度から座長になった小野寺一夫さんと今年の脚本を担当した小野寺敏男さんにお話を伺いました。
今では地域に定着したどっから座ですが、活動のきっかけは平成11年に遡ります。当時、千厩町職員だった小野寺敏男さんは「千厩の文化事業として町民劇場をやりたい」と考えていました。その思いが財団法人千厩町教育文化事業団で話題になり、翌年には実行委員会が立ち上げられ、話し合いの中で出てきた「ほんなもん、どっから」という方言を愛称にして「どっから座」がスタートしました。
演劇の経験はなく、小道具も手作り、機材も業者から借りるなど、試行錯誤の繰り返しでしたが、待望の町民劇場ということでスタッフやキャストはたくさん集まり、千厩川の「色の御前滝」を題材にした初公演「小田の小次郎物語」には1,000人以上の観客が集まりました。
脚本は地域に伝わる言い伝えや資料を基に書いていきますが、演劇の舞台となる地区が決まれば、まずはその地域を見て歩き、脚本のヒントを探します。実際に見たり触れたりすることで役を演じる際にも風景や空間をイメージしやすくなるそうです。
劇のこだわりは台詞回しに必ず方言を使うこと。「ゆっくりとしたテンポになり、聞いているとホッとするね」と脚本担当の小野寺敏男さんは微笑みます。台詞だけでなく、観客を飽きさせないようにと毎回劇の中に地元の郷土芸能を入れる等、楽しく、身近に感じられる演劇づくりに取り組んでいます。
キャスト・スタッフの確保や本番直前にならないと実際の会場で機材を使ったリハーサルができないなどの苦労も多いそうですが、「それがメンバーの意識の高まりや一体感の醸成につながっているし、舞台もどこにもない手作りの芝居小屋の雰囲気を出せている」と前向きに捉えています。
今年3月13日に開かれる第13回公演「仏坂の孝行息子 善八の物語」は磐清水地区に実在した人物である善八をモデルにした創作劇です。
脚本を書いた小野寺敏男さんは「1人で年老いた父親と病弱な母親の世話をし続けた善八の物語は、介護や家族のあり方が問われている現代にも通じるものがある。昔話や言い伝えを地元で知っている人は少なくなってきているので、これからも千厩に残る昔話を1つでも多く演劇にして、地域に伝えることができればいいね」と語り、小野寺一夫さんも今後の活動について「メンバーが年々高齢化しているので、若いキャストが増えてほしい。若い人が入ると雰囲気が全然違うし、自分達のやる気も増す」と続けました。どっから座では、一緒に演劇をつくるキャスト・スタッフを募集中です。
第12回公演「ひたむきに生きた娘 おかよの物語」
※第13回公演については「おしらせページ」に掲載しております