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(idea 2020年9月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
平成30年発足。地域の風景、和服、写真を通じて地域の魅力再発見や活性化のためにカメラマンやモデル、美容師などが集まり、イベント企画や運営を行っています。
〒029-0803 一関市千厩町千厩北方8-5(菅原美容室内)
TEL 090-8859-5928 (会長:菅原)
写真:同会員と、撮影会参加者との集合写真(8月の撮影会イベントにて)
千厩町に美容室を構え、観光ボランティアガイドなどを行う「蔵サポーターの会」の一員としても活動している菅原さん。その関係で、「せんまやひなまつり」の際に何かイベントを企画できないかとひなまつり実行委員会から相談を受け、外国人が着物でまち歩きをするイベントなどを企画。この時、撮影を依頼したことがきっかけで、後に尾形さんと同会活動を共にしていくことになりました。
一方の尾形さんは宮城県気仙沼市出身で、カメラ好きが高じて当時仙台市に本社を構えていた写真店の気仙沼支店に就職。平成19年に気仙沼市内で独立すると、平成29年には千厩町に「カメラのオガタ千厩エスピア店」をオープンさせます。
写真(SNS含め)を通じて、地域の観光資源を地域外にPRする方法を模索し続けていた尾形さんは、着物まちあるき事業のブランディングなども手掛けながら、千厩の「酒のくら交流施設」周辺のロケーションが着物との相性が良く、写真映えすることを実感。気仙沼から千厩を通って一関まで続く道を「千厩街道」と呼ぶことから「千厩街道着物まちあるき実行委員会」の活動を開始します。
せんまやひなまつりでの共同事業を機に、「元々千厩で暮らしていて地元の人や場所などをつなぐことができる菅原さんの力は大きい」と感じた尾形さんは、菅原さんを会の代表に抜擢。菅原さんも「写真を撮りたい人と撮られたい人を集めたイベントに需要があるのでは」と手ごたえを感じ、外国人向けの着物まちあるきイベントに続き、日本人を対象としたイベントを企画していくことに。カメラマンやモデルも加わり、現在の活動体制になりました。
同会が企画する撮影イベントは、参加者同士での撮影のほか、地域の風景をバックに主催者が用意したモデルを撮影することができ、後者のできるイベントは県内では珍しいのだとか。
誰でも気軽に撮影、発信ができるようになり、個人情報や肖像権などの取扱いも大きな課題になっている現代。同会では参加するカメラマンに対し、撮影する際の諸注意や、撮影した写真の取り扱いに関する承諾書を交わすなど、主催者としての指導を徹底。また、モデルとのコミュニケーションの取り方にも注意を配り、安心して撮影する・される環境づくりにも取り組んでいます。
「高齢化が進んでいるからこそ、おじいちゃん、おばあちゃんを含めて三世代でまちを歩いてほしい」と話す2人。「CDに焼いたデータは5年~10年しか残らない。写真を撮り、1枚でも現像することで家族に大切なものを残してほしい」と話す尾形さんは「記録に残したり、被写体の魅力を引き出したり見せることができるという『現像写真』という文化を残すためには、『地域の風景』や『着物』などの他の文化とのコラボが必要」と続けます。「一関を和服が似合うまちにしたい」と話す菅原さんも「撮影をする中で自然とみんなが笑顔になっていくのを見ていると写真の力を感じる」と互いの相乗効果を実感しています。
今年度からは、一関市の地域おこし事業に「和服が似合う一関市の街並みや自然の風景を全国に発信!和服ロケーション撮影事業」を申請。千厩だけでなく、一関市内の各地域で撮影イベントを実施しています。
今年8月には、藤沢町徳田地区で取り組んでいたひまわり畑を舞台に撮影会を実施。地元住民も草刈りや駐車場係などで協力しました。イベント後、ひまわり畑に関する問合せなど反響もあり、地域でひまわり畑マップを作るという話にもつながったそうです。
「新型コロナウイルスの影響で、当初目的のひとつにしていたインバウンドは見込めなくなりましたが、この状況だからこそ、地元の人たちが自分の暮らす地域の良さに気づく機会を提供したい。そのためには外からの視点も必要で、それが市外出身である自分の役割でもある」と話す尾形さん。
同会では、撮影スポットとして活用してほしい地域の風景や、モデルをしてみたいという人を募集中とのこと。外の視点を入れることで、見慣れた風景の新たな魅力を探してみてはいかがでしょうか。
すがわらとしかず
菅原利和さん
会員のアイデアや地域資源、人をつないで、企画を形にしたり、情報発信をしています。
A.和服が似合う街‘一関’
おがたりゅういち
尾形竜一さん
市外出身者ならではの視点で発見した地域の魅力を会の活動や地域に提供しています。
A.和服が似合う街を写真とSNSで全国発信!
撮影会をきっかけに地域内(藤沢町徳田地区)でも、ひまわり畑の環境整備や活用事業の機運が高まっているそうです。
千厩地区まちづくり協議会主催のイベントに「夏祭り中止で浴衣を着れなかった子どもたちのために」と撮影会開催で協力。
風景や人物の魅力を引き出すためのポイントなどもレクチャー。常連カメラマンには課題を与えてスキルアップを図ります。
撮影した写真は千厩のエスピアに展示。「この場所はどこにあるの?」など、地域の魅力発信にもつながっています。