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東北大会での演奏の様子(令和5年2月)
(idea 2023年8月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
昭和62年「奥玉小学校金管バンドクラブ」として活動開始。平成30年、新千厩小学校の誕生により、名称変更。毎週火曜、金曜日の18時30分~20時が定例練習日。現在奏者は1名のみ(会員募集中/小学1年生から入会可)。
※問合せは一関市奥玉市民センターへ
TEL:0191-56-2950
令和5年1月、多くの注目をあびた千厩金管バンドクラブ。「第43回岩手県アンサンブルコンテスト」のトランペット三重奏で金賞に輝き、2月には「第50回東北アンサンブルコンテスト」に進出!多くの住民を感動させました。
しかし、3月に6年生2人が卒業し、現在は奏者が1名のみに。唯一の奏者である小学5年生の武者愛結さんは「吹くことが難しいと思っている人も多いと思う」と前置きしつつも「練習を重ねて音が出た時の感動は何物にもかえることができない感動がある」と活動の魅力を語ります。
昨年卒業したお姉さんの影響で同会に参加した愛結さん。最初は打楽器などで音楽に親しみ、徐々にトランペットの練習を開始しました。東北大会で同世代の演奏を聴き刺激をもらったと言い、「今は一人だけど、みんなに聞いてもらい、楽しんでもらいたい」と、練習を重ねて臨んだ東北大会の舞台へ思いを募らせます。来年度は妹が入会予定のため、2人で演奏する日が楽しみなのだとか。
愛結さんの母親で、同会代表の武者友美さんは「金管というとハードルが高いと思われがちですが、楽器も貸し出しているので、ぜひ一度練習や演奏を見に来て、体験してほしい」と、会員募集への熱い想いを語ります。
定例の練習日には、リズムに合わせて楽器を演奏したり、音楽の楽しさを体験することに主眼を置くことで、小学生に音楽の楽しさや魅力を伝える役割を担っています。
同会の前身は「奥玉小学校金管バンドクラブ」。昭和62年、奥玉小学校の校舎改築にあたり、奥玉地域住民から寄付を受け付けました。その寄付金の残金で金管楽器を購入したことが、全ての始まりです。
当時、野球を筆頭に、スポーツ少年団活動が盛んで、多くの子どもたちがスポーツ活動を行っていました。そんな中、千厩中学校のブラスバンド部が部員の減少により休部になることが決定。同クラブは設立以来、地域でも積極的に演奏を行い、音楽の楽しさを伝えながら、地域の活気を創る存在として期待され、貢献してきました。そのため、「地域の文化活動が下火になってしまうのではないか」という危惧が。
そこで浮上したのが、奥玉小学校改築のために集まった寄付金の残金で楽器を購入し、奥玉小学校で金管演奏に取り組むという案。金管楽器は小学生には難しいという声もありましたが、当時盛んだった野球等の屋外スポーツは、雨天時の活動ができないなどの課題があり、天候に左右されずに練習が可能な文化活動として、小学5・6年生を対象とした金管バンドをクラブ化しようという運びに。
小学5・6年生全員(当時28人)に行き渡るように楽器を購入し、金管バンドクラブが結成されると、音楽の時間などでも金管楽器が使用されるようになり、奥玉地域の子どもたちにとって金管楽器が身近なものとなったのです。
当時はコンクールなどには出場せず、「どんな子も楽しめる音楽」をモットーに、スポーツ活動の応援などでも演奏し、選手を元気づけました。
また、地域の人々のサポートを受けながら、定期演奏会も開催。そのほか、地域イベントなど、様々な演奏依頼もあり、本格的なステージでのパフォーマンスも経験した子どもたちは、自信をつけ、成長していきます。
現在はたった1名での活動ですが、毎週土曜日に室根中学校の吹奏楽部と合同の練習会を実施。「単独での大会参加は難しくなってしまいましたが、他団体のご厚意により、一緒に演奏できています。東北大会を経て大きく成長することができたので、この火を絶やさないようにしていきたい。地域にお世話になっているので、地域の人にも演奏を聴いてもらいたい」と、連携・応援してくれる各種関係者への感謝の気持ちも忘れません。
少人数のバンド編成は、各奏者の音色やパートが明瞭かつ鮮明に聞こえ、透明感のあるサウンドを生み出します。アンサンブルコンテストで結果を出してきたことは、子どもたちの努力や成長の証であり、音楽的なスキルを身に付けるだけでなく、「地域との連携の大切さ」をも学ぶ場として、同会の役割はこれからの時代こそ必要なのかもしれません。
むしゃ まゆ
武者 愛結さん
千厩小学校の5年生。東北大会に出て、自分の音楽について考えるように。来年1年生になる妹の入団を心待ちにしています。
A.生活の一つ
むしゃ ともみ
武者 友美さん
愛結さんの母。自身も吹奏楽経験者で、「やるときはまじめに、楽しむときは楽しむ」がモットー。メリハリをもった練習を心がけています。
A.繋ぐもの♪
同会史上初の快挙となった東北大会出場。卒業した2人は今も千厩中学校の吹奏楽で音楽活動を続けています。
「奥玉小学校平成19年購入」というシールが張られた楽器。奥玉小学校閉校後は、同会が楽器を管理しています。
毎週火曜日は千厩農村勤労福祉センターで、金曜日は一関市奥玉市民センターで練習中。楽器の貸し出しも行っています。
一関市奥玉市民センターに掲示されている同会の活動の様子を紹介するコーナー。奥玉振興協議会は応援を続けています。