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座長 伊藤節子さん
(idea 平成29年5月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆座 長:伊藤節子 さん
◆連絡先:〒029-0202 一関市川崎町薄衣字鴨地19
◆電 話:090-4552-6581
※連絡先・電話ともに伊藤節子さん宛
「地域のために何かしたいと思ったの」。そうほほ笑むのは、川崎を拠点に活動する股旅舞踊とマドロス舞踊の団体「大橋一座」座長の伊藤節子さんです。侍の衣装で笠や刀を使い踊る「股旅舞踊」や、船乗りの踊り・「マドロス舞踊」といった“新舞踊”は青森県十和田市が先駆けといわれ、演歌や歌謡曲に合わせて誰でも自由に振り付けできる気軽な踊りとして、第二次世界大戦以降に庶民の間で流行。今では各地に流派があり、年配の方を中心に広く親しまれています。
伊藤さんがこの新舞踊に出会ったのは今から6年前。
金成で開催された芸能発表会で子どもの股旅舞踊を見たことをきっかけに踊りを始め、少しずつ口コミや知人の紹介で敬老会やお祭り、介護福祉施設などに呼ばれ人前に立つことが増えていきました。踊りを始めて2年目、花泉町老松地区福祉推進協議会主催の一人暮らしの高齢者を対象とした交流会で踊ったところ、お客さんから「会の名前をつけたい」と提案があり、“人々を繋げる北上大橋のように、芸を通じて人々の心に染みるよい踊りを踊れるように”と願いを込めて「大橋一座」と名付けられました。平成25年1月27日の命名式で受け取った命名書は、額縁に入れられ、宝物として大切に保管されています。
同会では、平成27年5月に川崎地域の活性化を目的としたチャリティーショーを開催。このショーには、県内、青森、宮城県から23名の踊り・歌い手が出演し全41曲を披露。市内外から400名を越える観客が集まり、入場料から得た収入の一部を市に寄付しました。伊藤さんは「お客さんの喜ぶ顔が見れたり、『来年もやってね』なんて声を貰えると嬉しい」と語る一方、開催に至るまでには課題もありました。
「股旅は家族を捨て家出した男、いわゆるヤクザ踊りだから、川崎から不良を出したくないという理由で最近まで禁止されてたし、踊りに刀を使うことも危ないからと反対されました。でも何とか説得して許しを得たんです」と話し、また「ショーには市内で活動するほかの会の方にも出てもらい連携したい気持ちもあるけど、流派の壁や各々の考えがあり難しい。反発を受けることもあるしね。活動に理解をいただくためにも、ショーの開催を継続することが大切だと思います」と続けました。
ショーのチケット販売や周知は同級生や地元企業さんに協力いただきながらも、事務局や各種手配・連絡などは自身が中心となり動いている伊藤さん。その原動力をお聞きすると「自分でもよくわからないけど、川崎のために何かやりたいという気持ちかな」と笑顔で答えていただきました。
「前に私が舞台で踊った時、4歳の女の子が『感動した』と涙を流しながら踊りを見ていたことがありました。よほど感受性が豊かな子なんだなと驚いたけど、自分が無心になって踊ることで人の心に響くものがあるんだなと嬉しくなりました」と印象深い出来事を語る伊藤さん。「地域の皆さんの笑顔や応援が活力になっています。ショーの開催は、協力し関わってくださる皆さんのお力添えがあってこそ」と感謝の言葉で締め括りました。
今年のチャリティーショーは10月22日に開催します