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地元学研究会の皆さん
(idea 平成29年6月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆会 長:金 安信 さん
◆連絡先:〒029-1111 一関市千厩町奥玉字沢前114
◆電 話:0191-56-2233
皆さんは自分の苗字や家の屋号などの由来はご存知ですか?
奥玉地元学研究会は、奥玉公民館(現奥玉市民センター)の地元学講座で地区住民の苗字や屋号、家紋などを調査したことをきっかけに、平成16年に設立されました。以降、学んだことを会の中だけでなく、子ども達やお年寄りとの交流を通して地域へ伝え続けています。
今回は会の皆さんとこれまでの活動を振り返りながら、これからの地域の歴史の継承について伺いました。
普段の活動は、毎月の定例会で会員がそれぞれ研究していることを持ち寄り、皆で検証したり、意見交換をしています。調べたことを形にしようとパソコンの使い方を覚えて本を作った会員がいたり、地域の読み聞かせ団体や千厩高校の美術部の協力により紙芝居が作られたり、研究した地域の歴史は積極的に形にして残しています
設立当初から続けている活動の1つに奥玉小学校の6年生との郷土学習「奥玉探検」があります。地域の人達からも資料提供や解説などの協力をもらいながら、奥玉の神社や鉱山跡などの史跡を見て回ります。
「奥玉の名前の由来に関係する玉堀山で水晶堀り体験をして楽しんだり、城跡がある丘の上から見える景色に感嘆したり、実際に現地に行って見て触れることが大切。参加した子ども達は学んだことを劇にして学校の学習発表会で発表してくれました」と話すのは会長の金安信さん。劇にする際には、大きな石碑を昔の人達はどうやって運んだのかなどを子ども達なりに想像を膨らませてストーリーを考え、会の皆さんでサポートしてあげました。「初めに参加してくれた子達はもう大人になっているけど、自分達で劇を作った思い出は忘れないでしょう」と金さんは嬉しそうに続けます。
昨年からは介護予防支援活動として、市役所千厩支所保健福祉課と連携し、回想法という思い出を語り合うことで認知症予防などに効果があるとされている心理療法を使って、千厩地域の老人クラブと交流を深めています。「昔の農業用具の写真などを使って皆が話しやすいように話題提供してあげるのですが『昔はこうだった』『お嫁に来る時に自分の出身地ではこう教わった』など話が盛り上がる中で、自分達が知らなかったことを教えてもらうこともあります」と事務局の村上福男さん。会の皆さんも「調査や史跡整備などをしていく中で新たな発見があったり、やることはいっぱいでキリがない。だからおもしろいんだよ」と笑顔で話します。歴史への探求心はまだまだ尽きません。
今後について「何気なく続いてきた行事なども歴史を辿れば知らなかった起源や背景を発見することもあります。現代はいろんな情報が入ってくるようになりましたが、身近なことは知らなかったりするので伝えたい。そのためにも調べてきたことを活字や写真で残したり、語れる次の世代を育てていきたいです」と会の皆さんからメッセージをいただきました。
皆さんも自分の家や身の回りのことを調べてみてはいかがでしょうか。思わぬルーツがあるかもしれませんよ。
奥玉小学校6年生との郷土学習「奥玉探検」