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(idea 平成26年9月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
会長:小金森 惇夫(あつお) さん
連絡先:〒029-3101 一関市花泉町花泉字町89
電話:0191-82-3007
JR東北本線清水原駅から花泉小学校方面に向かう市道の傍らに6体の笠地蔵が佇む清水集落。その奥に広がる小高い山に、かつて二桜城(におうじょう)と呼ばれるお城がありました。「築城年代は定かではありません。文献によれば、延暦年間(782年~806年)に坂上田村麻呂が蝦夷征伐のおりの陣所としたと伝えられています」と小金森さんは語ります。小金森さんからいただいた資料によると、平安時代には藤原秀衡公の家臣照井太郎高春が居住。延慶2年(1309年)から約300年間は清水清秀一族が、文禄2年(1593年)から伊達一族の留守政景が居城したと記録されています。清水集落は、城があった頃の地域の中心地で、当時は城山の下に街が形成されており、当時の家臣達の屋敷があった雰囲気が今も残っています。
「城山には花立泉(かりゅうせん)と呼ばれる井戸があります。花泉の町名の由来はここから来ています」と小金森さんに教えていただきました。
二桜城のあった場所の下にはかつて花泉小学校がありました。城跡の一画には八幡神社がまつられており、現在、清水公園として整備され住民が気軽に集える憩いの場所となっています。
学び舎は地域の人々にとって、心のふるさとになる場所。そんな思い出のある城跡を整備して、いつでも気持ちよく足を運べることのできる場所にしたいという思いから発足したのが清水公園保存会です。
「地域では会ができる前からも清水公園を清掃していましたが、今から20年ほど前に保存会を設立してからは、地域一丸となって活動しています」と語る小金森さん。
保存会には花泉地区清水集落の全戸120戸が加入しており、年会費2000円が活動の元となっています。
会では、6月と10月の年2回会員が集まり、公園内の草刈りやゴミ拾い、枯木の伐採などを行っています。また、公園整備の一環として花木等の植栽も行っています。それ以外にも、花泉高校生と地元ロータリークラブ会員との合同清掃活動が11月に行われているそうです。小金森さんは「皆さんの協力で大変きれいに公園を維持保存できています。故郷を離れた人も懐かしそうに訪ねて来られます」とうれしそうに語ります。
かつては、城山から花泉の町が一望にできたそうですが、最近は立木が伸びて景観が悪くなってきたそうです。「住民の方々の理解と協力を得ながらかつての素晴らしい景観が取り戻せるよう活動して、次の世代へとつないでいきたい」と抱負を語る小金森さん。
春の桜、木立の蝉しぐれ、秋のモミジ、雪を被る笠地蔵。そんな雰囲気が残る城山は、これからも訪れる人を楽しませてくれることでしょう。