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(idea 平成25年9月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
会 長:千葉達夫さん
事務局:佐藤教昭さん
〒029-3103 一関市花泉町老松字水沢屋敷161-2
電 話:0191-82-3382
事務局補佐:佐藤又彦さん
平成2年に発足した花泉町先人顕彰会は、花泉町が生んだ先人の顕彰活動を通じ人材の育成に資するとともに、地域の活性化と連帯感を培うことを目的に活動しています。主な事業内容は、先人の遺産と研究資料の保存及び先人の業績の広報啓発活動、顕彰推進に係る関係機関・団体との連携や会員の研修事業等。会員は花泉町内出身・地区外出身を合わせ合計234名で組織。その中でも、今回取材に応じていただいた佐藤又彦さん(84歳)は団体発足当時からの会員で、現在は会の常任理事兼事務局補佐を務めています。花泉町出身・花泉町育ちで、地域の歴史に興味を持ち始めたのは大人になってから。同団体の他に「東磐井史学会」「岩手県南史談会」という歴史研究団体にも所属し、年齢を感じさせないほど元気で、優しい笑顔が印象的な方です。
同団体の年間活動は、4月に始まってから6月に総会、秋は地区内・外の探訪、冬には役員研修会や花泉町先人顕彰発表会並びに講演会を開催。平成24年度の地区内探訪では、老松地区のお宝マップに沿い、神社や城跡をはじめとする7箇所を訪問し、地区外探訪では、宮城県の東和町米谷東陽寺や日和山公園など、その地域にゆかりのある場所8箇所を見てまわりました。その中でも佐藤さんが特に印象に残っている場所は、河南町須江糠塚です。ここは、かつて伊達政宗が宮城県周辺の殿様を一網打尽にしようと策略を企てた場所で、政宗の口車にまんまとのせられた殿様達が河南町須江糠塚に集まったところ、下から政宗の家来に一斉攻撃され、ほとんどの殿様がここで命を落としてしまいました。「政宗は策略を練る力が長けており、非常に頭が切れる武将だったんだよ」そう話す佐藤さんの言葉からは、歴史のロマンを強く感じさせられるようでした。
また、冬に行った花泉町先人顕彰会発表会では、佐藤さん自ら江戸時代の医者「佐々木壽仙」についての研究成果を発表。佐々木壽仙は建部清庵の弟子であり、一般的に多くても20点ほどしか残されていない200年前の診療カルテが、子孫の方の手により175点も綺麗な状態で保管されていた上、診療時期・身分・名前・年齢・性別・居住地・症状・治療までもがこれほど多く、細かく記録されているのは非常に稀とのこと。この発表会の後には、平泉町役場の職員を講師に迎え「世界遺産平泉と花泉」をテーマに講演会も実施。このような発表・講演会を通じ、会員は地域の歴史を研究し知識を深めていきます。
同団体が行う活動は、毎年6月に発行する「先人 はないずみ」にまとめられ会員内で共有するほか、一部の研究内容は、平成25年7月末発行の油島公民館報「なのはな」でも紹介されました。佐藤さんは、「会の活動に対する抱負はたくさんありますが、ただ、会員の人数が少しずつ減り、平均年齢も高くなってきている。できれば、若い人も地域の歴史に興味をもって研究してほしい」と、今後の活動に対する想いを話してくれました。