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農地・水・環境保全向上徳田地区活動 組織と雇用促進住宅に暮らす皆さん
(idea 平成28年5月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆会 長:千葉 ひろあきさん
◆連絡先: 〒029-3404
藤沢町徳田字荒谷18番地1
◆電 話:0191- 63-2107
徳田地区は藤沢町の東部に位置し、東には千厩町、室根町にまたがる黄金山、南には保呂羽山がある豊かな自然に囲まれた農村地区です。10年間、徳田地区の環境保全を通じて、地区内外の人のふれあいをつなぎ続けてきた「農地・水・環境保全向上徳田地区活動組織」の皆さんにお話を伺いました。
同組織は、平成19年に全国各地で「農地・水・環境保全向上対策」が始まったことをきっかけに、地区内の各種団体が一丸となって地域の環境保全をすることを目的に「農地・水保全管理支払交付金(現「多面的機能支払交付金」)」を活用し、発足しました。
発足以降は、地区内自治会との花壇づくり等の景観形成や消防団との防火水槽やため池の点検・保全、子ども達との川の生態調査等に取り組みました。実際に地域を見て歩いたことで、ため池が機能していなかったことや草木が伸びっぱなしになっていたこと等、地域の現状に気づくことができ、「組織の発足前と比べて地区内の見晴しはとてもよくなった」と代表の千葉ひろあきさんは振り返ります。
川の生態調査をきっかけに始めたホタル観賞会は、毎年夏の恒例行事となり、地区内外から子ども達が集まります。
地区内で活動が定着してきた平成23年に東日本大震災は起こりました。徳田地区では、直後から地区内自治会が連携し、沿岸被災地へ物資の支援へ向かうと同時に、藤沢町の雇用促進住宅に入居した被災者を歓迎・支援しようと、同年4月に雇用促進住宅の庭の草刈をして「ふれあい交流会」を開きました。その後、同年6月には同組織が活用していた補助制度を使い、活動拠点である徳田交流館の隣にある田んぼを地域との交流の場としました。田んぼの名前は「ふれあい絆水田“がんばっ田(た)”」。「あの時はがんばったね」と振り返られるようにという想いを込め、名づけられました。
がんばっ田では毎年、雇用促進住宅入居者と一緒に田植えや稲刈りを行い、収穫祭には市外からの支援団体も加わり、盛大に食事や会話を楽しみます。年を追うごとに雇用促進住宅を離れる人も増えてきましたが、収穫祭の連絡をすると故郷の海の幸を持って駆け付ける人もいるそうです。
今年4月、震災直後に陸前高田市の寺院に支援物資を届けた際のお礼にと譲られたオオシマザクラ28本が、がんばっ田側の丘に植樹されました。植樹された桜の様子を見に来た雇用促進住宅に暮らす阿部八代子さんと千葉みなこさんは「田植えや稲刈り、餅つき等、親身になって誘ってくれる徳田の皆さんのおかげで楽しく過ごせています」と笑顔を見せます。同組織の皆さんも「もっと桜を増やして老若男女、地区の人に限らず花見を楽しめる場所にしたい」「丘への遊歩道を整備して、いつでも見に行けるようにしなくては。東屋もほしい」「オオシマザクラの葉は香りが良いからみんなでついた餅を包んで桜餅にしてもいいかも」等々、話は尽きません。人のつながりから生まれた夢と笑顔はまだまだ広がり続けます。
昨年の「がんばっ田」 の田植えの様子