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(idea 平成27年5月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆会長:齊藤 裕美(ひろみ)さん
◆連絡先:〒021-0011 一関市山目町2丁目1-19
◆電話:0191-21-2152(中里市民センター)
中里地区には古くから愛宕神社等で上演してきた沢田神楽があります(継承者の減少等により現在は活動休止中)。昭和50年代からは中里中学校への鶏舞指導を通じ伝統を継承してきましたが、同校は山目中学校との統合に伴い平成26年度をもって閉校する事が決定。伝承の舞台は中里小学校に移る事になりました。
とは言えノウハウを持たない小学校だけでの継承には不安もあり、地域も小学校と一緒に鶏舞を伝承する事を期待する声が学校や地域から上がり始めました。これを受けて中里公民館は、平成26年2月から中里中学校鶏舞指導者の三浦博さんを迎え鶏舞講習会を開催。多い時には20人を超える参加者が集まったそうです。
その講習会が終了する時「もっと踊りたい」という気持ちから、他の参加者に「みんなでこれからも一緒に踊りませんか?」と呼びかけたのが代表の齊藤裕美さん。同じような気持ちの人達が集まり「鶏舞踊り隊」が結成されることになったのです。
「親子・兄弟のコミュニケーションに繋がる。子供の練習過程を見続けて迎える感動の舞台」「子供の追っかけとは違い、親子でステージに立てるのが新鮮。大変な事もあるが幸せな時間」「純粋に自分が踊りたいという気持ち」そう話すメンバーの皆さん。親子で、ママ友同士で、かつての同級生同士でと、参加の仕方が様々なように踊り隊への想いもまたそれぞれ。ただ共通しているのは「やらされる」ではなく「やりたい」という気持ちで関わりたいという想い。齊藤代表も「ここには相手を尊重して感謝するという『幸せ体質』がある。踊りたいという気持ちが揃っているから居心地も良い。それぞれ忙しく活動日にみんなが揃う事は難しいが、ゆるく楽しく繋がっていければ」とメンバーへの想いを語ります。
「芸事は覚えきったという事がない」「教えるのも大切な勉強」と口を揃える師匠達。踊り隊は師匠に教わる一方でしばしば小学校で児童の指導もしますが、教えながら気づかされる事も多いそうです。鶏かぶとの手づくりも始めており、地道な細かい作業に励むメンバーの姿を見かける事も。また、鶏舞の歴史や愛宕神社についての研修や、悪魔払いや餅文化等の体験を通じて地域行事・文化を学ぶ事が地域と繋がるという結果も生んでいます。
さらに鶏舞踊り隊は中里まちづくり協議会にも名を連ねており「協議会は踊り隊を支援し、踊り隊は鶏舞をツールとして中里地域を元気にし、まちづくりに繋げる」というWin-Winの関係性が期待されています。今後も踊り手はもちろん、装束や鶏かぶと作り、運営支援、観客動員等様々な形で踊り隊を応援してくれる人達(言わば「鶏舞踊り隊を『応援し隊』」)や、中里小PTAに設置された鶏舞活動支援部も含め色んな人と関わり、みんなで一緒に成長していけたら。そんな将来像を齊藤代表は見据えています。5年後、世界中の目が注がれる東京の舞台に、鶏舞で中里を世界に発信している団体の姿があるかもしれません。その名は…