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真滝6民区 秋の一斉清掃後の集合写真(令和2年度)
(idea 2021年8月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
真滝地域は「狐禅寺地区」「滝沢地区」「真柴地区」に分けられ、真滝6民区は狐禅寺地区。人口は約120人(35世帯)で、真滝地域では最も人口規模が小さい。部会はなく、主に区長、副区長、班長(6班体制)で民区内の事業を行う。
真滝6民区は狐禅寺地区で最も東側に位置し、北上川を挟んで舞川地区と滝沢地区、平沢地区が隣接しています。特に平沢地区とは、昔からお嫁さんやお婿さんが行き来するほど交流が深く、婚礼事等が少なくなった現在も住民同士のつながりは続いています。
また、同民区内にある「普賢沢不動の滝」には、坂上田村麻呂が滝に不動明王を祀ったのが始まりとされている「滝神社」が建立されており、歴史を感じさせます。
ちなみに、同民区は「並木」「藤」「大平※(大比羅)」の3つに分かれますが、いずれも通称であり、地名としては存在しません。なぜ地名にない通称で呼ばれるようになったのか、元区長で滝神社講中代表を現在も務める同民区の物知り、木村喜美雄さんは「権力のあった者の屋敷名か屋号だったのではないか」と推測。
※同じ狐禅寺地区内に「大平」と書いて「オオダイラ」と読む地名があるのに対し、同民区の「大平」は「オオヒラ(オッシャ)」と読む。昔は「大比羅」と表記したとのこと。
今回は歴史ロマンが漂う同地区の活動について伺いました。
民区内には、(株)イチサイ砕石工場と(株)平野組リサイクルプラントの事業所があり、各事業所から区費を納入してもらうほか、災害等の非常事態時に重機を出してもらうなどの対応をお願いしている同民区。喜美雄さんが区長を務めていた時代、「これからは地域と企業が一緒に地域を発展させていかなければならない」という想いから、この2事業所と提携を結んだことが由縁です。
実際、両事業所は率先して側溝の泥上げ作業を行うなど(現在は放射能の関係で休止中)、民区内の環境整備にも尽力しています。喜美雄さんは当時を振り返り、「提携を結ぶ前は『砕石の4tトラックが通ると道路が壊れる』と、住民の事業者に対しての嫌悪感はすごかった。そのような状況下でも住民への理解を深めるために何度も話し合いを重ね、みんなから賛成をもらうことができた」と話します。
その話を聞いていた現区長の木村清人さんは、「喜美雄さんが繋いでくれたこの関係は、いつ発生するか分からない災害の備えにもなっている」と言い、その様子からは、先輩区長たちの情熱と努力で築き上げてきた実績への敬意と感謝の気持ちとともに、「自分の代では絶やさないぞ」という強い思いが伝わってきました。
同民区の主な事業は、春・秋の一斉清掃、市道の草刈り、集会所の大掃除などの環境整備と、例年約40人が参加する新年会。「6民区の新年会は親子くらい歳の離れた人たちが参加してくれるので、とても賑やかな雰囲気」と話すのは民生委員の高橋公子さんです。
50年以上続く同民区の新年会は、年祝いも兼ねているため、19歳の子が参加することも。若者が多く集まる数少ない機会ということもあり、若者同士が交流する良いきっかけにもつながっています。昨年度はコロナ禍で中止にしたため、清人さんは「若者は若者同士で盛り上がり、その様子を見ながら上の世代も一緒に楽しむ。早くみんなの笑顔が見たいね」とコロナ収束を願います。
毎月第3水曜日に行っている「元気いきいきサロン」は、区長と保健推進委員が運営主体となって取り組んでいます。毎回15人ほどが参加し、保健師による健康相談、レクリエーション協会の健康体操などを行っていますが、昨年度は「方言勉強会」を初めて実施。
この企画に際し、民区内のお年寄りが当たり前のように話している方言を文字に起こすところからスタートした清人さんは、「普段当たり前のように話して聞いている言葉を文字にするのは大変だったが、改めてこの方言がどんな意味なのか楽しく知ることができた。おばあちゃんやおじいちゃんと一緒に暮らしていないと馴染みのない言葉ばかりだが、地域の特徴も表現されるのが方言。今度は若い人たちに方言クイズとして出題したい」と笑顔で話します。
最後に、「こじんまりした民区なので、団結力は強く、近所同士の支え合いもある」と民区自慢を語る清人さんと公子さん。人口規模が小さい民区だからこそ、住民が暮らしやすく、笑顔が絶えない民区運営を今後も続けていきます。
きむら きよと
木村 清人さん
2期3年目。今年3月、40年間入団していた消防団を退団。最後は、一関第三分団の分団長を務めるなど、地域に貢献してきました。
A.団結 皆様の協力と共に!!
たかはし きみこ
高橋 公子さん
真滝5区・6区を担当する民生児童委員(1期2年目)。高齢者宅への見守り活動等を行いながら、民区活動にも積極的に参加しています。
A.コロナに負けず元気に過ごしましょう。
昨年、「岩手の六芒星」が話題となりましたが、その一つが民区内に。社殿横には滝が流れ、夏の暑さを癒す効果も◎
戦後に撮影されたと思われる清人さんなどの祖父世代が写る集合写真。バックに写るのは、建て替え前の集会所です。
お年寄りの聞き取り調査で集めた100の方言。どんな時に、どういう意味で使われるか、みんなで楽しく勉強しました。
累計70人ほどが参加し、2㎞強の区間を草刈り。住民の主要道路ほか、小学校の送迎バスなども通るため、キレイに整備。