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「第43回清田地区民運動会」での12区チームの様子(平成30年11月撮影)
(idea 2020年12月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
昭和63年設立。自治会加入は86世帯、人口は300人弱。「花の駅せんまや」から室根との旧町境まで、国道284号線に沿って集落が展開する。集落内にはJR大船渡線小梨駅があり、駅駐車場内にある「小梨市民センター清田分館」を活動拠点としている。
明治8年からわずか14年間だけ存在した「清田村」。それ以前は清水馬場村、熊田倉村、金田村という3つの村であり、このうちの熊田倉村が現在の第12区自治会です(他の2村がそれぞれ第11区・13区)。明治22年の町村制施行で小梨村となったことで、地域としては「小梨」に属しながらも、平成30年度まで「清田小学校」があったこともあり、「清田」としてのまとまりが強靭。自治会の歴史は昭和63年からですが、3集落を束ねた「清田親交会」は昭和54年に発足しているなど、集落単位の活動と、旧村としての活動とを上手に組み合わせています。
「自治会活動だけ見れば何もしてないように見えるけど、清田親交会の活動、小梨自治振興協議会など小梨地域としての活動、そして旧千厩町としての活動を合わせると忙しいんだよ」と苦笑いを浮かべるのは自治会長の鈴木福美さん。自治会単独の事業は確かに少なく、イベントとしては農家組合等各種団体との合同総会と抱き合わせた「祝年会」と、6月に農家組合と共催する「さなぶり旅行」の2つ。そこに常設の「資源回収BOX」の設置と、女性部やサロンが行う定例事業程度。
以前は清田親交会としても千厩夏祭りに山車を作って出場したり、清田地区仮装盆踊り大会を開催していましたが、高齢化や若年層の減少等で中止。「負担が大きくなってきたものは無理をしない」と、自治会、親交会ともに時代に合わせた地域運営を行っています。
自治会としての活動は柔軟に縮小させている傍ら、今年度から盛り上がりを見せ始めたのが女性部の活動です。コロナ禍の7月から始めたのが「しゃべれBAR」。毎月第3水曜日に気軽に集まろうというものですが、開設を知らせる「12区自治会女性部だより」には「コロナ対策を取りながら、今できることはなんだろう?」と記載されています。コロナ禍だからと全てを自粛するのではなく、できることを探していこうとする姿勢に思わず関心。
「いずれはサロン化しようと思ってて。すでに2つのサロンがあるけど、親子のような年齢差がありますから」と、民生児童委員で、女性部の活動にも携わる藤野美由紀さんは先を見据えます。発足から11月までの5回の活動では手芸や太極拳、料理教室等を開催。その時の参加者たちで次回の活動内容を決めていくというスタイルです。
同自治会には他にも総務部、体育部、文教産業部があり、その役員を班長が兼ねていた時代もあったそうですが、今は班長が自治会運営に携わる役は特段なく、自治会全体の役員含め、全て総会選出としています。
また、驚くべきは自治会費。年間1500円の徴収ですが、そのうちの500円は清田親交会の会費であるため、実質の自治会費はわずか1000円。「少ないなら少ないなりにやるだけだよ」とみなさん笑顔を見せますが、自治会として無理をしすぎず、柔軟に事業を整理してこれた要因はここにあるのかもしれません。
清田小学校の校庭を活用して開催される「清田地区民運動会」は3集落対抗ですが、終了後には3集落合同でBBQを開催。その参加者は約100人!また、旧清田小学校(現清田テニスコート)の学校庭園「児楽園」や、清田エリア内の「花の駅せんまや」の管理も3集落が合同で行うなど、3集落(=清田親交会)としての活動は地域住民にとっても身近なものとなっています。
自治会長の鈴木さんは「自治会員の顔が見えれば良いのだから」と、自治会単独での活動を持つことにこだわるのではなく、清田地区としての活動に参加し続けることにも意味を見出しています。また、増加傾向にある一人暮らし世帯や高齢者世帯、空き家の現状を受け止め「自治会は行事をするよりも、地域住民の『普段の生活』をサポートする役割が大事なんだから、これから力を注ぐべきはそうした世帯への対応」だと言います。
その第一歩として、防災活動に意欲を見せるのが事務局の千葉秀一さん。「頻繁に床下浸水になる家や、土砂災害危険箇所も多い地区。自治会内に避難所もないので、大雨に備えた危険個所の把握をしたい。毎戸に地図を配布し、自分の家周辺の危険個所を書き込んでもらい、それらを集約したハザードマップの作成が次の目標」なのだとか。今後も、自治会がなすべき役割を冷静に考え、柔軟に対応し続けます。
すずきふくみ
鈴木福美さん
3期5年目。自治会長は自主防災会の会長や清田親交会の役員も兼務する仕組みになっており、地域内での役職は多数。普段は「丸福建設」3代目社長。
A.みんな一生懸命
ふじのみゆき
藤野美由紀さん
自治会内にある2つのサロンの世話人をする傍ら、女性部事業の「しゃべれBAR」では参加者として楽しんでいます。
A.和と輪
合同総会と合わせて開催する祝年会では年祝いの他に対象者がいれば新婚者のお祝いを。令和2年は久しぶりに新婚者が!
毎回10人程が参加する女性部のクラブ的活動。太極拳にも2回挑戦!「BAR」には様々な意味が含まれています。
子ども会が清田地区で1つになり、廃品回収がなくなった分、常設の資源ゴミ回収拠点を設置。貴重な自治会費です。
毎年恒例、農家組合と合同のさなぶり旅行には20人強が参加。写真は昨年の集合写真。今年は自粛でしたが、来年こそ!