※お願い※
記事内の写真や資料は、当情報誌での使用について許可をいただいて掲載しております。
無断での転載などの二次利用はご遠慮ください。
(idea 平成26年4月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
自治会長:小野寺敏男さん(1期2年目)
千厩地域磐清水地区で、101世帯367人が暮らす濁沼自治会では、専門部を部会に分け、互いに協力し合いながら地域づくりに取り組んでいます。
濁沼自治会は、千厩地域の町場から東山地域松川地区へ向かう県道267号松川千厩線沿いにある、歴史のある名跡等が多く残っている地域です。
今回は、自治会結成以前から地域の活動を支え、現在は自治会長として地域の実情や時代に合った組織運営を考え続けているお小野寺敏男さんにお話を伺いました。
同自治会は、昭和53年に千厩町内に先駆けて地区内各種団体の集合組織として設立された「濁沼団体協議会」が母体となり、昭和59年に集会所「集落センターにごりぬま会館」を建設。昭和62年に住民による自治活動のより効果的な実践を期待し、全世帯加入のもと濁沼自治会が結成されました。平成8年に組織構成を「総務部会」「社会部会」「文化部会」の3つの部会と9つの専門部からなる現在の体制に整え、平成19年には集会所等の財産を適切に保有するために認可地縁団体として法人格を取得しました。
総務部会は、全体的な事務処理のほか、平成25年7月27日の大雨被害の際には災害対策本部を設置し、地区内の見回りや全世帯の安否確認をしました。
社会部会では、社会安全部が前述の大雨災害時の経験から、自主防災訓練の際に消防署員の協力のもと図上訓練を実施。土砂崩れがあった場所や一人暮らし世帯等を図面に書き出し、地域の様子を把握しました。また、健康福祉部は健康教室の開催、成人病検診の呼びかけや送迎、各班役員(隣組役員)による見守り活動を行い、伝統継承の面では産業部がしめ縄づくりを開催し、後継者育成に取り組んでいます。
文化部会では、文化体育部が平成16年から平成24年まで「ふるさと再発見ウォーキング」を開催し、地域の歴史に詳しい住民の解説を受けながら地区内の旧跡や名所、神社仏閣等を見て歩き、ウォーキング後には各スポットに標柱を設置。「地区内を一通り歩き回った成果をマップにして残していきたい」と小野寺さんは今後の抱負を語ります。
そして、同自治会が1番盛り上がる行事は毎年8月15日に、にごりぬま会館の庭で行う「濁沼夏祭り」です。盆踊りや出店のほか、子どもたちの太鼓の演奏、青年組織である未来部のビアガーデン、さらに昨年は65歳以上の住民から組織される長寿部が竹筒にロウソクを灯す「希望の灯り」を世帯数分作成し、参加者から喜ばれました。
「今の子どもや親たちは休日も忙しくなり行事参加が難しくなってきた。行事を増やすよりも整理する時期かもしれない。一人暮らし高齢者や生活が苦しい人にも思いを寄せ、住民の福祉が保たれる自治会にしていきたい」と語る小野寺さん。これまで「生活合理化運動」と称し、無駄、無理、見栄のない生活ができるよう取り組んできた自治会内での交際費の見直しに資源のリサイクルを加え、活動の強化を図っています。濁沼自治会は昔からの地縁を大切にした地域づくりを続けながら、これからも時代の流れに合った自治会活動を目指していきます。