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猿沢地区振興会が主催する猿沢秋祭りに参加した際の集合写真(令和元年10月)。
(idea 2022年7月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
行政区は猿沢2区と猿沢3区。大東町猿沢地区の中央に位置し、113世帯256人が暮らす。商店街通りでもあるが、一歩路地を進むと中山間地帯でもある。7つの部会(総務、生活環境、文教、産業、婦人、体育、納税)と、12の班(2区:5班、3区:7班)で構成されている。
大東町猿沢地域の中央に位置し、2つの行政区(猿沢2区・3区)から成る猿沢中央自治会。自治会発足以前は行政区毎の納税組合が主体となり、地域振興や親睦活動を行っていました。
昭和52年、集落内の「大東町立猿沢保育園」が現住所に移設されたため、空いた建物や敷地を集落内各種団体の活動拠点として活用することに。その中で、自治会を設立し、各種団体が連携できる体制にすべきとの機運が高まり、昭和53年2月、両行政区内の各種団体を集約した形で猿沢中央自治会を立ち上げます。
設立と同時に、本格的に旧保育園(建物・園庭を含め)を自治会館として利用すべく、市から当該不動産を取得。「当時は、『そこまでして必要ないのでは?』という声もありましたが、『自分たちが管理し自由に使用できる活動拠点』を持つことで、自治会のメイン行事として『運動会・避難訓練』や『夏祭り』を開催するなど、活動や交流の範囲も広がり、『みんなの場所』としての認識も芽生えました」と、自治会長の千田泰さんは振り返ります。
河川清掃や花壇整備、リサイクル活動やサロン活動など、日常的な事業は行政区毎に行いますが、自治会全体では7つの部会を設置し、部会長・副部会長を置いている同自治会。生活環境部と婦人部は、地域全体の事業や活動に関わる取り組みを行うため、両行政区から代表者を選出します。
また、横のつながりを重視し、総務部に各部会長が入ることで、各部会活動の整理と全体統括を行います。
事務局の菅原一さんは、「高齢化で人口も減りつつありますが、一人ひとりが役割を持ち、自治会活動を行っています。とくに婦人部では料理教室や「猿沢地区文化祭」での展示品創作活動など積極的で、自治会全体のイベントや秋祭りの賄い、収穫祭のもち料理作りなどでは、日頃の連携が活かされ、その実行力は頼もしいものです」と語り、千田さんも「当自治会の女性陣は強い……いや、輝いているよね」と、笑顔で相槌を打ちます。
同自治会メイン事業の一つ「中央自治会夏祭り」は、帰省客らにも楽しんでもらうため、毎年お盆期間の8月14日に開催しており、令和元年の開催で12回目を迎えました(令和2年・3年はコロナ禍で中止)。当日は盆踊りや花火大会、縁日やくじ引きなどの催し物で賑わいを見せます。
1戸当たり5百円の会費と1口千円の協賛金(花火や金魚などの購入費に充当)で賄う夏祭り。会費と同額の商品券がついたチラシを全戸配布し、夏祭り当日に屋台(縁日)の商品と交換するシステムになっています。
婦人部が担当するのはリサイクル活動を兼ねたくじ引き。自治会員が持ち寄った未使用かつ自宅に眠ったままの品物などをくじ引きの商品にします。そのほか、基本的な準備は役員が中心ですが、会員(=住民)も積極的に協力。少子高齢化で集落内の子どもたちは減っていますが、帰省客らも交えて集落内の交流が深まる一日です。
また、避難訓練も兼ねた「中央自治会大運動会」は、令和元年に37回目(令和2年・3年はコロナ禍で中止)を迎えました。12の班を、赤・白・黄・青組に分け、この組ごとに避難訓練などの役割が与えられます(輪番制。避難訓練担当、炊き出し訓練担当、運動会の片付け担当など)。
「炊き出し訓練で作るおにぎりなどは、運動会終了後の反省会(運動会自体は午前中で終了)で、みんなで食します。避難訓練と抱き合わせることで運動会の参加率が上がり、より交流が生まれます」と、菅原さん。同自治会副会長の中津山保彦さんと熊谷芳昭さんは「反省会での一杯がまた最高なんだよ。コロナ禍で2年中止したが、今年こそは」と笑顔を見せます。
2区の高齢化率は60.2%、3区は40.3%(令和3年3月現在)と、猿沢地域の中でも高齢化率が高く、若者・子どもは少ないものの、集落に残っている若者は積極的に活動に参加しているという同自治会。千田さんは「普段の活動が行政区毎に別れている分、一堂に親睦と交流ができる事業を行うことで、互いへの『無関心さ』をなくしています」と、良くも悪くも「関心を持ち合えている」現状を大切にしています。
ちだ ひろし
千田 泰さん
1期2年目。納税組合長や猿沢地区振興会副会長など様々な役職を担っています。「今、ここに住むみんなの『幸せ』」を大切に、自治会運営を行います
A.互助精神
なかつやま きょうこ
中津山 京子さん
1期2年目。長年、婦人部の部長を務め、現在の婦人部の土台をつくりました。婦人部が世話役をするサロンの立ち上げにも尽力(猿沢地域の先駆け)。
A.いきいき人生!!
集落の子どもたちが通った園舎を修繕し利活用。子どもの歓声が響き渡った園庭も、昭和52年以降は大人の歓声が⁉
収穫祭では婦人部が大活躍。自治会で収穫したもち米で餅やおこわを作り、振る舞います(写真は令和3年の2区)。
自治会行事として毎年田植えを行っており、できた新米は収穫祭などで味わいます(写真は令和3年の2区)。
毎年大晦日には「観福寺保存会」と自治会有志で、集落内の観福寺境内をライトアップし、参拝者に甘酒等を振る舞います。