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(idea 平成25年5月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
自治会長:菅原庸典(つねのり)さん (平成20年度~平成24年度)
大東町猿沢地域の峠自治会は、74世帯290人が暮らす、のどかな山林地帯です。地域伝統の神楽を伝承し、地域の絆を深めています。
大東町猿沢地域の中腹から江刺の手前まで続く峠自治会は、山林が多く自然に囲まれ、猿沢4・5行政区で形成されている自治会です。
昭和46年まで猿沢小学校峠分校であった跡地を買受けし改築した建物は、現在「峠自治会館」として利用しており、自治会行事の運動会や盆踊りの会場、地域住民の憩いの場ともなっています。運動会や盆踊りでは地域住民の参加率がとても良く賑わっており、特に8月に二夜連続行われる盆踊りには、地域内の住民が屋台を出し、帰省した方々も楽しみにしている行事とのことです。
さらに峠自治会には、150年の歴史を持つ峠山伏神楽があり、その歴史を伝承するため、自治会内の保存会を中心に継承活動をしており、お祭りでの披露、地域内の新築宅への御祝いごとにも呼ばれるほか、峠山伏神楽保存会は、子どもたちへの指導も熱心に行われています。
地域内の人であれば、誰でも携わる伝統的な神楽を通じ世代間交流を活発に取り組んでいる様子が伺えました。
高齢化が深刻な同自治会ではありますが、50~60代の自治会員が活発に地域活動に取り組んでいます。
「ふれ愛クラブ」は20年ほど前、当時42歳の年祝いをきっかけとして、自治会内の若者で結成されました。現在は17名の会員で、それぞれが得意分野を活かし活動をしています。
猿沢地域、愛宕山ふもとにある「愛宕権現水」は古くから、自然の水が山から流れており地域住民などの喉を潤してきました。しかし、垂れ流した状態の水の衛生状況や、水を汲みに来た人が道路に出ていたり、冬場は凍結の要因になったりと地域の危険な場所でもありました。その危険を何とか改善できないものかと考えた、ふれ愛クラブの会員たちと自治会内有志らは、地域住民の安全も考慮し、自然の恵みも大切にしていきたいという思いから、当時の大東町から助成金を得て「愛宕権現水」周辺の整備と建物を建築。現在も、同クラブで権現水の管理を行い、年4回の草刈りや日々の清掃等を行なっています。
地域住民のコミュニケーションを大切にしている菅原さんは、「何かあった時にお互いが助け合える関係でありたい。」と語ります。「夫婦でのお付き合いがあったところが、一人になった途端、行事に来なくなったということもあります。地域のみんなは待っているし、心配しています。ぜひ参加して欲しいです。」と、話し、地域住民の「絆」や「協力」の大切さを今後伝えて行きたいと語っていました。
取材当時は、まだ雪の残る季節でしたが、愛宕権現水付近は、除雪が丁寧に済まされており、水汲みの方々が訪れていました。