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(idea 平成28年5月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆自治会長:熊谷嘉尚さん(3期5年目)
◆84世帯252人が暮らす室根第2区自治会。室根町は一関市の最東端に位置し、第2区自治会「浜
横沢下地区」は宮城県気仙沼市と隣接し交流活動も盛んです。
室根町の中でも、もっとも宮城県気仙沼市に近い室根第2区自治会。震災後は、気仙沼市内で被災された方々を地区内に受け入れ、その後も交流を続けるなど人と人との絆や交流を大切にしている地区です。
自治会行事の取り組みについて伺うと、「花いっぱい運動や敬老会、季節の祭りや環境整備活動など、ここら辺の自治会と共通した行事を行っています」と語るのは自治会長の熊谷さん。「何事も継続するということは、大変なこと。周りの協力や体制が重要です。被災地ボランティアや地区行事においては、みなさんの笑顔とやる気にこちらが元気をもらっていますよ」と続けます。
室根町では、高齢者を地域で見守る「お元気ですかネットワーク事業」が平成26年度からスタート。この事業は町内の関係機関や団体で組織した実行委員会が主体となり、75歳以上の一人暮らしや老々世帯に「お元気ですかだより」と「手作りおやつ」を持参し健康状態などを確認しながら高齢者を見守る活動。
同自治会でもこの事業に参加するとともに、平成27年6月から月一回、高齢者の見守りと交流を「2区カフェ」という独自の形で開催しています。このカフェは、一人暮らしの高齢者や老々世帯だけでなく、地区内すべての高齢者を対象とし、学習会や軽体操など頭や体を使ってリフレッシュしたあと、参加者みんなで昼食を囲み地域の出来事など会話を弾ませます。
カフェの企画運営は、自治会長、副会長、保健推進員2名、赤十字奉仕団2名、民生委員1名、自治会構成員1名の合計8名で、高齢者が楽しく笑顔で過ごせるように体制を整えています。
「実際に見においでよ」と、熊谷会長からお誘いを頂き、3月の「2区カフェ」にお邪魔してきました。その日はまだ、雪が舞い寒さの残る3月上旬。すでに20名ほどの参加者が来館しており、スタッフの開会とともにカフェが開店しました。
カフェの前半は、大東町レクリエーション協会の五日市道子さん(室根町在住)の指導で、手足の運動やリズム体操など、こまめにお茶休憩を含みながら行い、「あ~おもすい(面白い)おもすい」と皆さん汗と笑顔が輝いていたのが印象的でした。
体を動かした後はお楽しみの昼食会。3月ということで今回のメニューはちらし寿司とお吸い物。メニューは自治会長である熊谷さんが料理長となり毎回参加者が楽しんでくれるよう栄養バランスや食べやすさに気を配っているのだとか。大勢で囲む昼食は、和気あいあいと温かく、最近の出来事や昔話をみんなで共有しながら美味しくいただきました。
最後に熊谷さんは「地域での見守りというのは、一人暮らしの家に訪ねてお菓子を渡して『変わりないですか?』って聞くだけじゃないと思うんだよね。できるだけたくさんの方々と話題を共有したり、共に体を動かしてみたり、一緒に食事を囲んだり。こういうことが地域全体で高齢者を見守るという形なんだと感じる」と語っていました。