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(idea 平成25年vol.10掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
一関インターと国道342号線に隣接し、小学校、幼稚園、学習交流館等の施設が並ぶ赤萩地区の中心、山目・中通民区には、203世帯、593名の住民が暮らしています。ひとつの言葉を胸に区長として地域への恩返しを続けている岩井さんに、お話しを伺いました。
山目・中通民区は、世帯数の増加などに伴い平成15年に「山目8‐2民区」が分区されて出来た新しい民区で、創設10年になります。区域内を横断する照井堰周辺の昔からの農家と、宅地分譲等による複数の住宅群が混在しており、他の地域に比べ30~40代の若い世帯や子供の数が多いという特徴があります。
民区は総務、福祉、環境・衛生、体育・文化、防犯・交通安全、防災(自主防災会)という6部会で組織され、岩井さん自身は分区前の防犯・交通安全部長を務めた後、新民区設立時に初代区長に就任。以来10年に渡り民区の舵取りを任されています。
岩井さんが区長就任当時から約年4回のペースで発行している「山目・中通民区だより」は、昨年12月で36号になりました。「どうぞご覧下さい。」と笑顔で差し出された水色のファイルの中には、カラー写真とレイアウトの工夫等読み易さに腐心した36号全ての民区だよりと、民区活動の新聞記事の切り抜きが綴られていました。民区だよりは全戸に配布されますが、そこには「何でも役員だけが参加するというのではだめだと思う。災害時を考えても組織で動けず隣組に頼らざるを得ない場面もあり住民個々のレベルアップが必要。『民区』と『個人・隣組』の二本立てでいかなければならない。そして参加してもらうには回覧だけでは駄目。」という岩井さんの思いがあります。
こうした取り組みと、住民協力による民区行事への参加率の高さには驚かされるものがあります。例えば農業用水路の泥上げを行う「堰払い」には、農家だけでなく130人以上が参加。小学校PTAと合同開催した昨年の「ボウリング大会」にも100人以上が集まったほか、売店を出し、仮装や大抽選会を行う「夏祭り」の参加者は、昨年ではなんと250人を超えたそうです。
在職中、危機管理意識の高い職場で勤務していたこともあり、「区長になるにあたり防犯と共に防災を最重要視した」と語る岩井さん。平成17年に立ち上げた自主防災会は、消防署・消防団と連携し毎年訓練内容を変更して行う防災訓練や、火災警報器の共同購入等の活動が評価され、消防署から表彰を受けるなどの成果を上げています。
定年退職する際、社長に言われた「今まで地域の人たちにお世話になったのだから、今後は地域に貢献して恩返ししなさい。」という言葉。「この言葉を胸に自分なりに考えながら一生懸命やってきたつもり」と10年間を振り返り、岩井さんは笑顔を見せてくれました。