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「泉沢リサイクルステーション」(資源ごみ回収施設)を造る自治会の皆さん(平成29年)。
(idea 平成31年5月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
昭和28年発足。27世帯111人が暮らす農村集落で、総務部、産業建設部、教育社会部、衛生部、体育部、婦人部、青年部の7部会を組織しています。
「地域の主役は住民の皆さん一人ひとりさ。泉沢のような小さな集落では、全員が貴重な人材なんだよ」そう語るのは、泉沢自治会の自治会長を務めている金今達雄さんです。
金今さんは民間企業を退職後、4年ほど自治会役員を務め、平成29年の総会にて「地域の皆さんがサポートしてくださるのなら」という約束で自治会長を引き受けました。「自分には特別な能力も力もないし、皆さんの協力がなければ自治会は動かせない」と遜りながらも、「地域の皆さんには子どもの頃から大変お世話になってきました。自治会長の任務は容易ではありませんが、皆さんのためなら全く苦ではありません」と故郷への想いを語ります。
今回はそんな金今さんに、泉沢自治会の特徴や活動、地域をまとめるために行っている日頃の工夫等についてお話を伺いました。
同自治会は、国道284号線を挟んで川崎小学校の向かい側に位置し、平地(田んぼ)と山の高低差がある地形が特徴です。民家の多くは山の斜面に建ち、眼下に田園風景を眺められます。
自治会に住む方々は「金今」または「菊地」という2つの苗字が多く、外からの移住者はいないため、全ての家が昔から泉沢に所縁のある親類関係にあたるというので驚きです。
過去に「80代のおばあさんが家に戻らない」という行方不明事件が起きた時、動ける泉沢住民が総出で地域を捜索し、中には仕事を早退し捜索に当たったという若者も。「一刻も早い発見を」という強い気持ちやチームワークが功を奏し、警察よりも早く、行方不明だった方を山中で見つけ、無事に助け出すことができました。「あの時は皆で協力したものです」と当時を振り返る金今さん。「泉沢自治会はまとまりがある」と自他共に認めるように、まるで皆が大きな家族であるような、温かい絆を感じさせるエピソードでした。
特に盛り上がる自治会行事は、毎年8月13日に行う「夏祭り」です。企画・運営は青年部が担当。いかぽっぽ、焼き鳥、わたあめ(子どもは無料)といった屋台が並ぶほか、生ビール飲み放題(無くなりしだい終了)や利き酒大会、スイカの早食い競争、ビンゴなど、大人が楽しむための企画も充実。この日は他地区からも子ども達が集まり、地域が賑やかな声で包まれます。
「いちのせき元気な地域おこし事業」を活用して始めた泉沢河川公園の春のライトアップ・冬のイルミネーション事業は今年が4年目。夜に輝く幻想的な光に魅せられ、自治会外の方も足を運ぶそうです。
青年部には20~30代の若年層も含め、幅広い年代の方が参加。公園のライトアップ事業は自治会長ではなく地域の方の提案で進めるなど、心強い地域の方に支えられている同自治会の運営。人口が少ないため個々の負担が大きくなってしまう状況もありますが、できるだけ負担が偏らないよう分担したり、集まるごとに労いの気持ちを込めて飲み物やアイスを用意するなど、日頃からのささやかな気遣いを大切にしています。
小規模な自治会だからこそ、日頃の活動を通して住民一人ひとりの協力の大きさを感じている金今さん。
自治会長から「今度頼むよ」「お願いしますね」というひと声をかけることで、自分が必要とされているという認識や、プレッシャーを与えない程度の責任を感じてもらうことができ、参加を促す方法の一つとして意識して実践しているそうです。
上から目線のトップダウンは禁物ですが、かといってボトムアップも難しい時は間に入って調整したり、応援することも大事な役割。それでも協力が足りない時は、自治会長就任時の約束を持ち出したり、「それならもう自治会長を辞めようかな」と冗談交じりにあえて突き放すような言い方で周りを動かすことも。時にはお世話役、時には助けられ役、時には責任者など様々な存在である自治会長さん。金今さんのお人柄と住民皆さんの強い支え合い精神で、これからもまとまりの良い泉沢自治会が続いていくことでしょう。
かねこんたつおさん
金今達雄さん
会長歴:2期3年目
退職後、自治会役員を4年ほど務め、平成29年度から自治会長に。
A . 泉沢は場所も人柄も最高で住んで良い所です。
かねこんかずおさん
金今壽男さん
市外でのお仕事を退職し、最近泉沢に戻ってきたばかり。達雄さんが頼りにしている方の一人。
A . ひと声かければ皆が集まるまとまりのある地域。
坂道の途中に建てられた集会所は、寄付金、千厩川堤防の草刈りの受託収益金、助成金の3つを活用し平成に入ってから建設。
集会所前にある花壇は、「花いっぱいコンクール」フラワーロード部門 地域の部で平成28年度から連続で最優秀賞を受賞しています。
集会所から眺めた景色。昔は畑仕事の様子や山仕事をする人の往来、散歩する方など、人の動きがよく目に入ったそうです。
今年の千厩川堤防のライトアップは4月13日~27日までの約2週間。初日にはおしるこ等が振る舞われ盛況に行われました。