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「地域防災マップ」を作成したときの様子(平成30年)
(idea 2022年12月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
県道168号薄衣舞川線沿いに位置(東はJR陸中門崎駅手前まで)し、行政区は「銚子」。61世帯200人が暮らす。総務部、産業部、教育文化部、社会環境部、青年部、女性部、睦会部で構成。
1056年、前九年の役で、安倍貞任が朝廷軍源頼義を迎え撃つため、兵を構えたのが「河崎の柵」。そんな歴史的な場所を擁するのが銚子自治会です。
北上川の流域に位置する同自治会エリアでは、例年9月に開催される「北上川流域交流Eボート大会(同実行委員会主催)」など、各種イベントが開催されるため、積極的に連携してきました。
その一つが「自治会盆踊り大会」。毎年8月15日に開催することにしていますが、これは翌日に開催される「かわさき夏まつり『おらが自慢のでっかい花火』(同実行委員会主催)」に合わせて帰省する同自治会出身者にも参加してもらうため。帰省者との交流ができる場として、30年以上企画・運営してきました。
各部会が協力して組む櫓を囲んで行われる盆踊りは仮装形式。仮装しての参加は約20人程、全体では100人程が楽しみます。
また、盆踊りに用いる曲は同自治会出身者が作詞作曲した「銚子音頭」。振り付けも同様に同自治会出身者が行ったもので、長年地域住民に愛されています。
前述の「北上川流域交流Eボート大会」にも初年度(平成7年)から参加し続けている同自治会。毎年、若手チーム「河崎の柵」と、年長チーム「お銚子クラブ」の2チームで出場しており、決勝戦に残ることも多々!大会後には女性部が作る豚汁を食べながら来年度の作戦会議を含めた反省会を実施し、絆を深めています。
自治会長の鈴木義広さんは「地域にある人材・ものを活用し、地域の歴史や資源を後世に残していくことが今いる人たちの役割」と、語ります。
部会制をとっている同自治会ですが、花壇整備などを担っているのは睦会部(むつみかいぶ)という老人クラブが中心となった部会と産業部です。睦会部のメンバーの多くは「けやきの会」というサークル活動も行っており、週に1回手芸などを愉しみ、出来上がった作品は、一関市川崎市民センターで開催される「川崎文化祭」にて、自治会代表として展示。干支人形など、見る人の目を楽しませています。
また、子ども会(令和4年度は小学生6人)では資源回収を年2回実施しており、産業部が協力。回収する資源ゴミは事前の運び込のほか、当日も軽トラックで回収に回るなど、住民総出で参加。子どもたち自身も張り切ってビンや缶・段ボール等を回収します。
子どもたちはその後、「子ども農園」という自治会の畑にてサトイモ・サツマイモの苗植え体験。大人たちに作業手順を教わりながら、楽しく体験を行います。
そうした自治会の動きは、同自治会の広報紙「お!銚子だより」にて紹介。自治会として取り組む活動の紹介・報告はもちろん、自治会員の個別の活動も紹介しています。同広報では情報発信だけでなく、自治会運営についてのアイデア募集も常に行っており、その時その時の地域住民の「声」を吸い上げ、自治会の成長につなげることを意識しているのだとか。
鈴木さんは「常日頃から誰とでも交流できる場を作ることが大切」と語り、「その交流が、住んでいる人の生きがいにもつながれば」と笑顔を見せます。
少子高齢化により、自治会の活動財源確保が難しくなる中、同自治会ではお金を生み出す仕組みとして、令和元年9月に太陽光パネルを設置し、売電を始めました。
設置にあたっては、地域住民からの「設置してどうなるのか」という疑問の声も多数。「丁寧に説明することを心掛けた」という鈴木さんは、財源確保という視点だけでなく、災害時の電源確保という視点も訴えました。
東日本大震災の停電時には発電機を使用しましたが、不便な点も。自治会館(銚子研修センター)を避難場所とし、電気が建物から直接とれるようにすることで、災害時の安全安心につなげるという狙いもあったことから、約1年間説明の機会を持ち続けました。
自治会館への設置を目指すため、パネルを設置する具体的な場所や方向などは、念入りに検討を重ねました。
「業者ですら知らない補助制度なども調べ、誰よりも詳しくなった」と当時を振り返る鈴木さん。地域をより良くしたいという一心で取り組み、自治会館の屋根に設置された計20枚のパネルは、「安心」を生み出すべく、今日も輝いています。
すずき よしひろ
鈴木 義広さん
4期8年目。地域住民の声に積極的に耳を傾けてきた鈴木さんは、「農事組合法人門崎ファーム」の総務部長(3年目)としても活躍しています。
A.わ(和・輪)
すずき としゆき
鈴木 利幸さん
1期2年目。若い頃は青年部に携わっていたものの、20年前から単身赴任生活に……。地元に戻ってきたと同時に副会長に抜擢され、現在に至ります。
A.心のふるさと そのもの
多世代が集まる交流の場、地元の人が集まる場として、銚子研修センター(=自治会館)前で開催。写真は平成29年の様子。
「河崎の柵」について説明する看板やその周辺を管理している同自治会。花壇も整備し、景観保全に努めています。
災害時も意識して導入した太陽光発電。毎月の発電量はモニターで確認できるほか、年末に売電量を住民に報告しています。
「河崎の柵」「お銚子クラブ」ともに優勝経験あり!終わった後の慰労会を楽しみに、オールを精一杯漕ぎ続けます(笑)