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自治会長 佐藤仁一さん
(idea 平成29年11月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
◆自治会長:佐藤仁一(じんいち)さん(1期1年目)
◆新町会は昭和51年に発足した自治会で現在は55世帯141人が生活。弥栄側から北上大橋を渡ってすぐの場所に位置し、川崎市民センターや川崎図書館を中心に民家や事業所が立ち並ぶまち場の地域です。
「お世話になった恩返しです―」。取材の中で何度もそう口にしたのは、新町会(新町自治会)会長を務める佐藤仁一さんです。副会長、総務部長、会計といった3つの要職を6年間兼務するなど自治会運営に携わり、その経験を積み「自分にできることがあるなら」と今年の4月に会長に就任。お仕事をしながら地域の活動をリードしています。「歴代の会長は皆一生懸命な方ばかりでした。私は力不足もありますが、皆さんの力を借りながら無理のない自治会運営に努めたい」と話す佐藤さんの言葉からは、謙虚ながらも地域を守り大切にしたいという温かい気持ちが伝わってきます。
今回はそんな佐藤さんにお話を伺いました。
新町会は、総務部、社会部、文化部、女性部、青年部、体育部の6部会で構成。各部の活動の中には、地区内にある公共施設や児童公園、特養老人ホーム、阿弥陀堂の清掃のほか、全住民の約4分の1が参加する春秋の一斉清掃などの環境美化・整備活動がありますが、このような活動には60代~70代の方も多く参加。佐藤さんが「新町には元気な高齢者が多い」と自慢するように、体力を要する活動にも積極的に協力するなど頼り甲斐のある先輩達に支えられています。
一方、子ども達の交流事業として昨年度から始めたのは夏休み中の「世代間交流・流しソーメン」。佐藤さん宅のそばにある井戸(通称「中井戸」)の冷水を使った流しソーメンで、周辺地区の子供会もご招待。青空の下、次々と流れてくる麺に箸をのばしながら交流を楽しみました。
今は誰でも利用できる中井戸ですが、この井戸が復活したのは平成28年3月のこと。昔は地域一帯の生活用水として活躍していましたが、水道の普及や施設の老朽化・故障により利用者が数人にまで減少。井戸の存在が地域で薄れていた中、東日本大震災が発生。一週間断水が続き、飲料水に不自由したという教訓から地域で井戸復元を求める声が高まり、一関市の「元気な地域づくり事業」で受けた助成金約100万円を施設整備費に活用。4自治会で保存会を立ち上げ、屋根や側溝などの一切を整備し震災5年後に復元されました。
「『世代間交流・流しソーメン』は、保存会会長で新町会前会長である金野健男さんの発案。中井戸を住民の楽しみや憩いの場として利用すると共に、昔の井戸端会議のような集いの場になれば」と佐藤さんは今後の展望を語ります。
取材で資料を拝見していると「新会員加入のお知らせ」という文書が目に留まりました。佐藤さんは新しく転居してきた方がいると挨拶に行き、新しい仲間として名前や居住地区を皆さんに文書で紹介するなど、地域に馴染むための入り口をつくっています。佐藤さんは「住民が互いに声を掛けやすい雰囲気づくりを大切にしたいし、何気なくでも挨拶を交わせる関係が安心安全な暮らしに繋がるのではないか」と話します。
「会員が皆協力的で支え合いの精神で活動に参加してくれること」を同会の強みに挙げる佐藤さん。「新町はまとまりがある素晴らしい地域。ここに暮らす皆さんが安心して暮らせる自治会づくりを目指していきたい」と笑顔で締め括りました。
初年度の世代間交流・流しソーメンの様子
子ども達の歓声が辺りに響きました